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スズキ、違法行為横行の悪質な企業体質露呈…独裁者・鈴木会長の失敗で不祥事連発

文=河村靖史/ジャーナリスト
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 スズキの報告によると、不正を行っていたのは、現行生産車16車種のうち「ジムニー」「ジムニーシエラ」「エスクード2.4」を除く13車種と、生産終了車種のうち「アルトエコ」の14車種と、マツダなどにOEM(相手先ブランドによる生産)供給している12車種の合計26モデルで、販売台数で214万台にも上る。

 型式認証を取得する際、国の機関が燃費を測定するため、自動車メーカーは実際にテストコースなどを走行させて空気抵抗や転がり抵抗などの「走行抵抗データ」を「惰行法」と呼ばれる方法で測定。これを提出することが規定で決まっている。

 スズキによると走行抵抗データを取得する相良テストコースが海の近くの丘の上にあることから、風の影響を受けてデータの取得が天候に左右され、試験が困難になるケースがあったという。このため、スズキの担当者は、車両開発のため風洞試験室で測定した空気抵抗やタイヤの転がり抵抗など、装置ごとの抵抗値を積み上げて車両全体の走行抵抗データとして公式に活用していた。

 こうした方法で走行抵抗データを取得することが違法行為となることを、担当部署は「認識していた」という。実際、国に提出する書類には惰行法で測定した測定日、大気圧、天候、気温などの虚偽情報を記入。不正な方法で取得した走行抵抗データを、正規な方法で取得したように惰行時間を偽装していた。違法性の認識は明らかだ。

 しかも、この違法なやり方による走行抵抗データの取得は、開発の全部門にわたっていた。スズキでは、新型車の開発を統括する「カーライン」が5つあり、各カーラインが装置ごとの積み上げによる不正な方法で取得した走行抵抗データを最終決定していた。本来ならカーライン、エンジン設計部、法規認証部が立ち会いのもとで走行抵抗データを決定しなければならないが、法規認証部は走行抵抗データの取得に関与していなかった。

「現場の担当者間で決めて上に通じていない。コミュニケーションもできておらず、組織としてなっていなかったことがはっきりした」(鈴木会長)

 最初に不正なやり方で取得した走行抵抗データを使用したカーラインから、他のカーラインに「いい方法がある」と横展開され、開発全体に不正な方法が広がった模様だ。

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