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証券関係者によれば、「北尾氏本人でなく、代理の人がツイートしているようだ」とのこと。臨床試験の結果が出た後の5月31日には「現在、弊社は約160億円の資金を保有しており、戦略的に開発を遂行するには十分であると考えております」と「弊社」の一人称でコメントする熱の入れようだ。
一方、アキュセラは5月14日の時点で、マスコミやアナリスト向けに6月9日に懇親会を実施するとの招待状を出している。場所は港区麻布にある東京アメリカンクラブ。会員制の高級クラブである。案内文には「弊社設立以来、最大のマイルストーンを迎えておりますこの時期に、日頃よりお世話になっております記者・アナリストの皆様をお迎えし、懇親会を開催させていただきたく存じます」としている。良好な臨床試験の発表の場にするつもりだったことが明白で、これが市場の「開発順調」との観測につながり、株高を演出した面も強い。成功してから記者会見を開くのが通例だけに、情報の出し方に疑問が残る。なお、この懇親会は中止となっている。
投資家に事実関係以上の期待感を煽って、結果は暴落。アキュセラ株に対する投資家の信任が戻ることは困難といえる。
(文=編集部)
【続報】
6月14日の新興企業向け市場、東証マザーズ指数が大幅に下落、約2カ月ぶりに1000の大台を割り込んだ。創業ベンチャーのアキュセラ・インクが大幅安となり、下げを主導した。14日の取引開始前に、治療薬を共同開発する大塚製薬との提携契約の終了を発表した。朝方から売り気配で推移し、制限幅の下限(ストップ安)となる前日比400円(24%安)の1253円で取引を終えた。大塚ホールディングス傘下の大塚製薬とはドライ型加齢黄斑変性治療薬候補の「エミクススタト塩酸塩」の共同開発及び共同販売にかかわる契約を結んでいたが、大塚製薬側から契約を終了するとの通知を受けた。アキュセラは6月14日、8月2日に予定していた株主総会を延期すると発表した。新たな日程は未定だ。業績の悪化懸念が一段と広がっている。
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