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利用者が購入後に使っていない残高が1000万円を超えれば、発行会社は破綻に備え、半額を発行保証金として法務局などに供託することが義務づけられている。
4月6日付毎日新聞は次のように報じた。
「同社の担当者が昨年(15年)5月に社員らに送ったメールには『未使用残高が約230億円という莫大な額で、とても供託できる額ではありません』『1年近く前から通貨に該当する状況であったのに、届け出ずにいたことになりますので、処分を受けるリスクもあります』
などと記載していた。アイテムが『通貨』であれば、資金決済法に基づき財務局への届け出が必要だが、その後、同社はアイテムの用途を制限するなど仕様を変えることで『通貨に該当しないという説明が可能』と判断。7月に仕様を変更し、財務局には届け出なかった」
つまり、LINEは多額の供託金を逃れるために、仕様変更による“隠蔽工作”を行ったことになる。「通貨」だとの報告を受けたにもかかわらず役員らが隠蔽したのは問題ありとして関東財務局は今年1月、立ち入り検査に入った。
そして5月、関東財務局はスマホゲームに使うアイテムを資金決済法上の「通貨」に当たると認定した。通貨に認定したのは、パズルゲーム「ラインポップ」で使われるアイテム「宝箱の鍵」などだ。LINEが供託しなかったのは、「資金決済法違反に当たる」と指摘した。供託不足額は3月末で125億円に上る。
関東財務局の検査で、ゲームのアイテムが「通貨」と認定され、LINEは供託金を積むことを受け入れた。これで、ようやく上場のネックとなっていた問題をクリアし、三度目の正直で、上場にこぎ着けたのである。
(文=編集部)
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