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「T社は粉飾決算も常態化しており、メインバンクはそれを見逃していたという疑惑もある。このメインバンクを含むフィナンシャルグループ全体の融資の甘さが問われることは避けられない。こうした不正の影響は、A会長個人やT社の問題にとどまりません。というのも、長崎の財界では、このような金融機関と地元企業の“不適切な関係”は珍しいことではないからです。おりしも、地銀大手のふくおかフィナンシャルグループと長崎県内最大手の十八銀行の経営統合の話が進んでいますが、この不正融資問題が表面化した大ごとになれば、中央の監督官庁が福岡や長崎だけでなく、全国の地銀へのチェックを強化することになるでしょう。すると、各地に潜む不正融資問題が次々と表面化する可能性が出てくるんです」(前出の長崎の財界関係者)
確かに、たかが佐世保にある中小企業のスキャンダルと侮ることはできない。アベノミクスの効果に疑問符がつき始めた中、政府が推し進めた強引な金融緩和が各銀行のずさんな与信を許し、不正融資の温床になっている可能性は兼ねてから指摘されていることだ。結果、バブル期と同様、銀行が回収不能の大量の不良債権を抱えてしまえば、さらなる不景気を招きかねない。T社のようなスキャンダルはその引き金になりえるのだ。現在、筆者はT社の疑惑を追及すべく取材を進めている。公私混同の経営者、それを許す金融機関……腐った構造をあぶり出さないといけない。
(文=豊島三郎/ジャーナリスト)
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