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鈴木貴博「経済を読む目玉」

危険で面白すぎる番組がBSスカパー!に、やたらと多い理由…地上波がつまらない理由

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役
危険で面白すぎる番組がBSスカパー!に、やたらと多い理由…地上波がつまらない理由の画像1BSスカパー!『BAZOOKA!!!』(「スカパー HP」より)

 視聴率競争とは関係なく、最近やたらとおもしろいテレビ局がある。といっても見ることができるのは日本全体で350万世帯だけ。実際に見ている人は数十万人程度であろう。それがBSスカパー!(運営会社:スカパー・エンターテイメント)というテレビ局だ。

 このテレビ局は、基本的にスカパー!の加入者がおまけで見ることができるチャンネルである。つまりスカパー!の加入世帯だけが見ることができるテレビ局なのだが、とにかくこの局の独自番組が面白い。

 一番人気のコンテンツはおそらく『BAZOOKA!!!』というバラエティ番組の人気企画である『高校生RAP選手権』。2012年から数えてこれまで9回開催されている。ライブハウスを会場に全国から集まってきたRAP高校生が1対1対決でフリースタイルのラップを披露しあって審査員の多数決ジャッジで勝敗を競う。エキサイティングな企画だが、これは地上波でも放送可能な企画だろう。

 この番組は「自由を愛する大人のためのテレビ」をモットーに、とにかく地上波では放送できないような危ないゲストを呼んでの危ない企画を毎回行っている。

 たとえば最近でいえば、「ヤクザと芸能」関係の書籍をたくさん書いているなべおさみさんをゲストに呼んで危ない話を聞いてみたり、日本各地で絶滅しつつある「秘宝館」を訪ねてレポートしたり、セクシーポールダンス選手権を開催したり、そして私が大好きな地下クイズ選手権を開催したりと、とにかく地上波では放送できないような危険な方向に番組が切り込んでいくのである。

地上波では成立しない番組

『BAZOOKA!!!』だけではない。今春に始まった『田村淳の地上波ではダメ!絶対!』という番組は、タイトル通り『BAZOOKA!!!』以上に地上波ではできないエスカレートした企画が展開されている。番組の第1回では番組MCの田村淳に覚せい剤使用の噂があるとして、抜き打ち尿検査をするところから番組が始まる。打ち合わせの途中で突然、覚せい剤の検査官が登場してその場で尿検査をするのである。

 疑惑が晴れた田村の前に、次に現れるのは「不幸をかかえた女性たち」なのだが、それも「韓国の刑務所に2年入っていた女性」といった地上波には登場できないような不幸レベルの方々が登場して、なぜそうなったかの顛末を告白するという企画が展開する。

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『日本経済復活の書』『日本経済予言の書』(PHP研究所)、『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。
百年コンサルティング 代表 鈴木貴博公式ページ

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