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だが吉澤体制になって、戦略的に大きな変化を与えようとしている部分も見られる。ドコモは携帯電話事業者であるため、これまでは携帯電話の加入者数や、番号ポータビリティ(MNP)の転入・転出数などを重視してきた。だがスマートフォンの普及の一巡や、MVNOの拡大によってキャリア間の競争自体が複雑になってきたこと、そして端末の実質0円販売の事実上禁止措置によるキャリア間の奪い合い競争の終焉などから、携帯電話事業をこれ以上拡大し、売上を高めるのは難しくなっている。
そこで吉澤氏は、「いかに新しいサービスで価値を提供できるか、サービスの指標を掲げていきたい」と話している。つまり伸び悩みが想定される通信事業よりも、dマーケットやdカードなど、スマートライフ領域の事業を重点的に強化して売上を伸ばす方針を掲げており、今後はスマートライフ領域の利益がドコモの事業を評価する上で大きな意味を持つと見られる。
将来的にはスマートライフ領域の売上が通信事業領域と五分になるまで伸ばしていきたいと、吉澤氏は話している。加藤氏の体制で通信事業がようやく回復してきたなか、現在のドコモの成長を支えるスマートライフ領域を、どこまで拡大できるかが、吉澤氏の評価につながってくるといえそうだ。
(文=佐野正弘/ITライター)
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