ロイヤルホールディングス(HD)は14日、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」などの不採算店約70店を2021年末までに閉店する方針を示した。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響で業績が悪化しているためだ。飲食業界の深刻な不況の一端を表す事態だが、このロイホ大量閉店を悲しむあるTwitterユーザーの投稿がじわじわと反響を広げている。
同社の広報資料によると新型コロナの影響で、4月の国内ロイヤルホスト既存店売上高は前年同月比57.9%減だったという。14日に20年6月中間連結決算の業績予想を下方修正し、最終(当期)損益は5000万円の黒字から155億円の赤字に転落する見通しを示した。
ロイホのハンバーグ、初めて日本に来た時を思い出す
同社の発表を受け、Twitter上に次のような投稿があった。
「ロイヤルホストが大量閉店らしいですが、前の家の近所にあったロイヤルホスト八丁堀店の食べログの口コミが素晴らしくいい話なので、この人のためにずーっと残っていて欲しいなあと思う」(原文ママ、以下同)
この口コミは『日本思い出のハンバグ』(原文ママ)というタイトルで、台湾から来たと思われる30代男性が書いたレビューだった。男性は日本に来たら、必ず八丁堀店のハンバーグを食べるのだという。わざわざ来日して、ファミリーレストランで食事をするのを日本の友人に笑われながらも続けているという。食べログから引用する。
「それはもう5年の前。僕は初めて一個人日本に旅行来た。親戚叔母は僕のために銀座にホテル部屋予約しくれていた。空港から電車を乗ってまず東京駅に行った。東京駅は台中駅に似ている。そう聞いてずっと行きたかったんだ。
銀座は東京駅からが近いと聞いて、東京駅から出て真直ぐ歩いて行った。
しかし道が迷ってしまった。その時まだ日本語勉強する前だから、歩いてる人に英語で道方向を聞いたが、英語通じる日本人の方がいなかった。どんどん夜が暗くなって寒くなった。空港で両替した日本円も、電車に乗る時に使って、ほんの少しの円とドルしか持ってなかった。もう銀行閉まっている。タクシーに乗るには多分日本円たらない。
お腹すいてとても不安した。
その時Royal Host、英語の看板見えた。ここなら英語通じるだろう。
恐恐、お店に入るとウェイトレスさん、銀座のホテルに行く道を尋ねた。彼女は丁寧に地図を書いてくれた。
『歩いたら大体30分です』笑顔して教えた。そして食事はクレジットカード使えます。僕は実際に涙が出る安心した。お店に入って座りハンバグを食べた。その料理が暖かかった。
今日また同じのハンバグ。黒い鉄板に乗ってパチパチ音がしていい香りだ。ソースの入れ物が少し変わったかな。お肉は変わらずおいしい。
この店のハンバグ食べると思い出す。初めて日本来た時に出会った親切な日本人。
あのウェイトレスさんはもういないけど、彼女笑顔は覚えている。ありがとう」
「泣いちゃうな、ハンバグ」
Twitter上ではこの男性の口コミを読んだユーザーらは、次々に思いを書き込んでいる。
「泣いちゃうな、ハンバグ」
「これよんでロイホのハンバグ食べたくなったな」
「いい話。泣ける。ちゃんと手間暇かけた仕事してる老舗が世界中でどんどんクローズしてるのも寂しいな。みんなのいろんな思い出があるよね」
今回の大量閉店と一連のTwitterでの反響に関し、千葉県内にあるロイヤルホストの女性従業員は次のように話す。
「うちのメニューは他社さんに比べて割高な価格帯ということもあり、なかなか毎日来ていただける常連さんができにくいのかなと思っていました。でも、この口コミのように確かに年に数回必ずいらっしゃるお客様がいます。皆さん『ちょっと特別な日はロイホにしていんるです』ということで、だからこそ失礼のないように一生懸命サービスしてきました。きっと、口コミを書いてくれたお客様もそう思っていただけたんだなと、励みになりました。
この後、私たちの仕事がどうなるのかはわかりませんが、1日でも長くファンの皆さんのためにもおいしいハンバーグを提供していきたいです」
ファンのためにブランドを守り続けてきた店舗スタッフたちの努力が、今後も報われることを願いたい。
(文=編集部)