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宮永博史「世界一わかりやすいビジネスの教科書」
ソフトバンクが史上最高3.3兆円で買収した無名企業は、「トンデモナイ」企業だった
今後の発展
それでもアームの売上高はわずか1550億円(2015年12月期)と、5兆円をはるかに超えるインテルに遠く及ばない。しかし、その影響力は大きく、今後さらに拡大するだろう。インテルが得意とするPCも、スマホやタブレットなどモバイル機器に置き換えられるとアームの存在は脅威となってくるだろう。アームはその低消費電力という強みをモバイル機器だけでなく、データセンターのサーバー領域にも参入しようとしている。データセンターでも消費電力の低減が緊急の課題なのだ。
そうした企業をソフトバンクは買収したわけであるが、同社のビジネスとの親和性を考えたとき、同社とアームの両者にとって、この買収が吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知るところかもしれない。
(文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授)
【参考文献】
1.東京理科大学 技術経営専攻 ビジネスケース「英アーム・ホールディングス 組み込み型CPU事業」、宮永博史、2012年1月
2.東京理科大学 技術経営専攻 ビジネスケース「サンリオ ライセンス事業」、宮永博史、2012年8月
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