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出光は06年に株式を公開した。主力銀行を大株主にしたのは、佐三氏の末弟で2代目社長・計助氏の次男である昭氏(7代目社長)だった。この時も、昭介氏は純血主義にこだわって反対した。開かれた会社にしたのは昭氏と当時専務だった天坊昭彦氏だった。現在の経営陣に、天坊氏のような卓越したリーダーがいないことが出光の悲劇だとの指摘もある。
昭氏など、ほかの出光一族は沈黙を守り、表に出てこない。経産省も、昭介氏を除く出光側も、JXや東燃ゼネラルも、再編を完遂させる腹づもりだ。
株式を公開するかどうかで激しい綱引きがあった2000年代初頭のように、昭介氏周辺への切り崩し工作が激しくなるだろう。三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行など、出光の主力銀行に圧力をかけることも考えられる。
出光には現在、出光家出身の取締役はひとりもいない。同族のオーナー経営から、所有と経営を分離した近代的な企業に転換したはずの出光が、“先祖返り”をしようとしている。奇妙というほかはない。
昭介氏の孤独な反乱は、利害関係者を含む一部マスコミが言うように、本当に成功するのだろうか。
(文=編集部)
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