世界中でブームを巻き起こしたスマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」が、ギネス世界記録を打ち立てた。英ギネス・ワールド・レコーズが8月16日までに発表した。
ギネスが世界記録と認定したのは、モバイルゲームにおける以下の5項目。
(1)7月6日の配信から最初の1カ月のダウンロード数が1億3000万
(2)売上高が20日間で1億ドル(約100億円)達成
(3)最初の1カ月の売上高2億650万ドル(約206億円)
(4)最初の1カ月において、世界50カ国で売上高首位
(5)最初の1カ月において、世界70カ国でダウンロード人気ランキング数がトップ
しかし、ポケモンGOの「ギネス世界記録樹立」が報道されても、任天堂の株価の再浮上はならなかった。任天堂の株価は、報道前は2万2000円台で推移していた。報道後も2万2000円台に張り付いたまま。1カ月前の“任天堂株フィーバー”の再現とはならなかった。
株価は爆騰から一転して急落
任天堂の株価はここ5年、1~2万円台と低迷していた。ところが、ポケモンGOが米国で話題になっていることが伝わると、株価は爆騰。連日の高値更新で7月19日には一時、前週末比4920円(17.7%)高の3万2700円まで買われ、2010年5月以来の3万円台を回復した。東京株式市場では「任天堂の株価は年内に5万円、数年後には7万円にまで上昇する」と囃された。
7月22日、ポケモンGOの配信が日本でも始まった。だが、フィーバーは、この日をもって打ち止めとなった。7月22日の東京株式市場取引終了後、任天堂は「連結業績に与える影響は限定的」と発表した。
ポケモンGOは米ゲームベンチャーのナイアンティックが、ゲーム企画会社の株式会社ポケモンと共同開発した。ポケモン社はポケットモンスターの権利保有者として、ゲームの開発・配信を手掛ける米ナイアンティックからライセンス料を受け取る。任天堂はポケモン社の議決権の32%を保有しており、ポケモン社は持分法適用会社である。このため連結業績に与える影響は限定的としたわけだ。
任天堂の発表を受け、週明けの7月25日の任天堂株に売りが殺到。ストップ安(値幅制限)の2万3220円まで急落した。7月22日の終値から5000円(17.7%)値下がりしたことになる。その後も株価は2万2000円台に張り付いたまま。急騰前の水準に戻ってしまった。