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そして最大の問題は、今でも電柱を立て続けていることだろう。電柱の新設は全国で毎年約7万本に上る。宅地開発に伴う新設もあれば、新たな道路の造成に伴うものもあるが、近年では太陽光発電などクリーンエネルギーの普及により、発電設備からの送電線の増加といった事情も大きい。いまだに3500万本以上もの電柱が使われている。
日本の道路事情も関係している。日本の場合、道路幅が狭いことが地中線の普及が進まない理由のひとつでもある。電線共同溝方式では、道路幅が2.5m以上あることが条件となる。東京23区の住宅街では、電線共同溝方式の条件に満たない道路が多く残されている。さらに、交通量の多い道路では、電線共同溝を埋設するための作業日程が取りづらいなどの問題もある。
良いこと尽くめのように見える地中線だが、実は障害が発生した場合には、架空線に比べて復旧に手間がかかるという難点がある。埋めたものを掘り起こしてからでないと復旧作業ができないからだ。
政府が目論むように、20年の東京オリンピックまでに果たして「無電柱化率20%」は実現されるのであろうか。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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