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訪日外国人は、どこへ消えたのか?突然にホテル宿泊者激減の謎…訪日者数は激増でも

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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「最近の観光客はクルーズで来る人も非常に増えています。2013年には17.4万人だったのが14年には41.6万人、15年には111.6万人が来日しています。今年はまだ数字的にははっきりしていませんが、増えていると思います」

 クルーズ船の場合、ホテルに泊まらなくても船の中で宿泊でき、夏場はまさにクルーズ船の来航が増えるが、「日本にクルーズ船でくる訪日外国人は中国人のグループが多く、短期のクルーズがほとんど。そのため九州や沖縄などが中心で、東京ではそれほど大きな影響がないのではないか」(国土交通省産業港湾局港湾課関係者)という。

 観光庁は10月19日、2016年7~9月の訪日外国人消費動向調査を発表したが、「東京の訪問率が2007年は53.9%、今年は49.1%と4.8%下がっています。そもそもこの時期に東京に来ている外国人の割合が減っている。これは、これまでになかったことです」(前出・観光庁担当者)。

 もちろん訪問率が下がったからといって、訪問者数が減少したとはいえない。一方で大阪などの訪問率が上がっていることなどから、観光目的の訪日外国人が地方に分散しつつあることが窺われる。

多様化する宿泊先

 そこで今度は大手旅行会社の広報担当者に話を聞いてみた。

「最近の訪日外国人のツアーについては、地方への誘客を進めています。初めて来日する人にはゴールデンルート(インバウンド観光で人気の高い、東京・箱根・富士山・名古屋・京都・大阪などを周るルート)を提供していますが、リピーターにはまだ訪問していないような場所をお勧めし、東北や九州、北陸などもお勧めしています。中国の沿岸部や台湾、香港などはリピーターが多いことから、自分でインターネットで予約して、これまで見られなかったようなところに行く傾向もあります」

 8月は学校が夏休みに入ることもあって、学生やバックパッカーなど、長期滞在の旅行者が増える。こうした旅行者はより安く、よりディープに日本を知りたいと東京・山谷のゲストハウスや、カプセルホテル、ウィークリーマンションなどにも殺到している。
 
 前出の外国人消費動向調査でも、全国的に「ホテル」「旅館」に宿泊したという回答者数が減少し、「ユースホステル・ゲストハウス」「親族・知人宅」利用者の比率が増えているという。

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