破天荒な私生活
では、トランプ氏はプライベート面では、どのような人物なのだろうか。今回の次期大統領選挙で当選が判明した直後、トランプ氏はニューヨークのホテルで勝利宣言を行ったが、同会場には大勢の“トランプ・ファミリー”が集結。現在の妻は、2005年に結婚した24歳年下でモデルのメラニア・クナウスで、06年に男児が誕生しているが、実はドナルド氏の結婚は3回目。
そのため、この日はメラニア夫人と息子のほか、最初の妻とその間に生まれた長男、長女、次男、そして3人それぞれの伴侶、さらに2人目の妻との間に生まれた次女も駆けつけていた。ちなみに、その長女のイヴァンカ・トランプ氏はトランプ・オーガナイゼーションの副社長を務めている。
こうした家族構成を見るだけでもトランプ氏の破天荒ぶりがよくわかるが、同氏に対する批判が飛び交う大きな理由といえば、その“過激な発言”だ。トランプ氏は12年の大統領選挙前、バラク・オバマ大統領のアメリカ国籍に疑問を呈し、本当はアフリカ生まれのため大統領になる資格はないとする「国籍陰謀論」を主張。これが人種差別に当たるとしてバッシングを浴びた。その後、トランプ氏は今年9月に行ったワシントンでの演説で、「オバマ大統領はアメリカ生まれ。以上だ」と口にし、過去の発言について謝罪しなかったものの、撤回している。
また、同10月の「ワシントン・ポスト」によって、05年に結婚直後だったトランプ氏が既婚女性と性的関係を持とうとしたことを語る動画が公開されると、その内容が女性軽視発言にあたるとして大問題に発展。トランプ氏もこの時ばかりは、大統領選挙の投票目前とあって、「私の発言で気分を害した人がいたら謝罪する」とコメントした。
そのほか、15年の出馬表明時にはメキシコ人を「強姦犯」呼ばわりするなど、とにかく過激な言動が目立つことから、トランプ氏の大統領就任を不安視する声が後を絶たない。しかし、初めはヒラリー氏が優勢と思われていたにもかかわらず、最終的にトランプ氏が勝利した。一部では「隠れトランプ支持者」の存在がこの逆転劇を招いたといわれているが、公職経験のないトランプ氏がこのまま大統領に就任すれば、アメリカ国民のみならず日本、そして世界が振り回されることになりそうだ。
(文=編集部)