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こうした容器の変更はコスト増となりますが、1リットルから900ミリリットルへと容量を1割減らすことにより、店頭価格は据え置かれています。このような判断は極めて難しい意思決定であると思います。1リットルというのは、多くの消費者が長年にわたり慣れ親しんだ量ですし、わずか100ミリリットル減とはいえ実際の容量以上に少ないと感じてしまうかもしれません。しかし、1リットルのままでは価格が消費者の許容できる範囲を超えてしまうというリスクを回避したかったのでしょう。
以前、豆乳メーカーの関係者から「トクホ(特定保健用食品)を取得した際、コスト増に伴い価格を10円上げたところ、大きく販売が落ち込んだ」と聞き、主婦を中心とした消費者の価格への感度の高さに驚いたことがあります。
こうした消費者の価格への厳しさと「明治おいしい牛乳」の価値向上が、どういう結末をもたらすのか?大変興味深いところです。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)
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