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さらに、金融業の海外でのM&Aに共通する問題だが、買収後に有能な人材が流出しやすいという懸念がある。一般的に、製造業の買収は製品と販路を手に入れることが目的となるが、金融業の買収は商権と人材を確保することが最大の狙いだ。
グローバルプレーヤーでない企業が買収したと判断すれは、有能な人材はさっさと辞めていく。腕こきであればあるほど、同業他社から高額で引き抜かれる。結果として平均以下の人材しか残らない。野村證券を傘下に持つ野村ホールディングスが典型例だが、日本の金融業は海外でのM&Aで人材流出の辛酸を舐めてきた。SOMPOがその轍を踏まないという保証はどこにもない。
2001年組の再保険会社に出資した投資会社は、経営が軌道に乗ったことを見届けて、資金の回収に入った。エンデュランスが昨年、バミューダ籍の再保険会社を買収したのは、高値で売りつけるための“持参金”だったとみられている。
エンデュランスは米国の有力投資銀行が日本の損保業界に売り込みをかけていたリストに入っていた会社だ。日本向けのリストに載っている会社の多くは売れ残りだ。
売れ残りの案件に6393億円はいかにも高い。「日本のお人好しの金融機関以外、絶対にこんな高値では買わない」と、国際金融筋はシビアな見方をしている。SOMPOは焦った末に大きな買い物に打って出た感がある。
(文=編集部)
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