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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

今年のヒット商品ベスト5を大胆予想!「契約」恋愛、プレステ4対応VRゲーム…

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
今年のヒット商品ベスト5を大胆予想!「契約」恋愛、プレステ4対応VRゲーム…の画像1「ポケモンGO」のプレイ画面

 11月、「日経トレンディ」(日経BP)が「2016年ヒット商品ベスト30」(以下、同ランキング)を発表した。売れ行き、新規性、影響力の3つの基準より選定される。今回は同ランキングに基づき、16年のヒット商品の分析、および今年ヒットするだろう商品の予測をしていく。

16年のヒット商品

 同ランキング第1位は、AR(拡張現実)を活用し社会現象となったスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」である。スマホアプリなのに現実社会とマッチして行えるという新規性が、「既存のスマホゲームに飽きてきた」「体を動かしたい」というユーザーの潜在ニーズに応えたのだろう。VR(仮想現実)よりも気軽だ。

 2位の映画『君の名は。』(東宝)はTwitterやFacebookなどのSNSで、「4回も観た!」「観ないと損する!」など、若者の「面白いものを拡散したい!」という意識を見事につかみ、大ヒット映画となった。実際、今まで映画館に足を運ばなかった人も、13年公開の『アナと雪の女王』(ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ)と同様に、SNSなどのレビューをみて、「自分だけ遅れたくない」「友達との会話に加われない」などと、仕方なく見に行った方も多いのではないだろうか。

『君の名は。』は通常のストーリー展開に飽き、「夢の世界」を感じてみたいという憧れや、世の中に不満を持っている社会人や若者に大きな影響力をもたらした。ちなみに筆者の感想としては、「ちょっと題材を間違えてはいないか? もしかしたら現在の日本人にとってタイミング的に不謹慎なのでは?」というのが本音だ。

 3位の「IQOS」は、「たばこの煙が迷惑」という非喫煙者の気持ちと、「たばこは体に悪い」と思う喫煙者の気持ち両方をくみ取った商品である。屋外や店舗での分煙が進む今、非喫煙者と喫煙者が屋外の同じ席でご飯を食べられるようになる日も近いかもしれない。この商品は1年以上前から日本に上陸しているが、ある人気お笑い芸人たちが愛用しているという情報からブレイクした成功をしている面白い現象だ。

 たばこの広告には規制がかかっているため、普通の商品と違いマーケティング戦略が難しいが、まさに「消費者の生活を変えた商品」といえよう。

今年のヒット予想

 16年はスマホのアプリが上位を占めた。ポケモンGOのほか、4位と5位にはそれぞれ、女子に大人気の写真共有アプリであるインスタグラム、フリーマーケットアプリのメルカリがランクインしている。14年にはゲームアプリ「TSUMUTSUMU」がランクインしていたが、スマホアプリは現代において大きな影響力があるということだ。

 そして12月16日、任天堂から「スーパーマリオ ラン」が配信されて大きな話題を集めている。片手で遊べるスマホゲームとして、スーパーマリオ ランは配信当日から騒がれていた。現在、1,200円という有料価格で論争となっているが、今後の動きから目が離せない。

 一方、家庭でできるゲームにも革新が起きている。すでにソニーの「プレイステーション4」が大いに売れているが、VRの登場である。AR技術を使ったポケモンGOで、ゲームと現実の世界のマッチに人々が沸いたように、VRでのゲームプレイは技術者やゲームをする人にとってはまさに理想である。今後、VRの精度が上がり、話題になるような魅力的なゲームソフトが出れば爆発的にヒットすると予測される。ただ、体に影響がありそうなVR酔いが心配だ。

 ゲーム以外にも目を向けると、近年は健康食品嗜好に向かっていることがわかる。14年の特茶から始まって、一昨年のココナッツオイル、そして16年の「スイーツデイズ乳酸菌ショコラ」(ロッテ)、グリーンスムージーなど、おいしく、美容に効き、相変わらず健康になれる商品が流行する傾向があるようだ。

 そのなかで今年注目したいのが、バーチウォーターである。白樺の希少樹液である成分を含む飲む化粧水として世界中で注目され始めていて、日本でのヒットも遠くないだろう。ココナッツオイルに続く商品ともいわれている。ただし、飲料の世界は「センミツ」、つまり1000個の新商品を出して3個当たればいい、といわれるほど激戦業界なので、魅力ある商品を出せるか、生き残れるかがメーカーの企画開発者の腕の見せ所である。

筆者が予測する今年ヒット商品ベスト5

『ヒットの正体』(日本実業出版社)の著者である私が今年流行すると考えているのは、頭に簡易装着できるスマホを使った簡単VR、プレステ4対応本格VRゲーム、大画面の超激安4Kテレビモニター、少額出資できるクラウドファンディング、連続テレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で有名になった、「細かい契約を前提にして交際する恋愛カップル」の5つである。VRは当然流行るであろうが、恋愛についても、増え続ける草食男子、肉食女子がくっつくためにも有効な“契約”を通して、カップルになれるようなサービスができるのではないか。消費者の生活を変え得る商品たちが、今後どのように広まっていくのか。今年も目が離せない。

【ご参考:アメリカの主要行事・祭り一覧】

 過去にアメリカからクリスマスやハロウィンなどの行事・習慣が、日本にたくさん入ってきていますが、私も10代に米国在住していた経験から、今後日本に“輸入”されそうな行事も記しておきます。

・3~4月:復活祭
キリスト復活を記念する日で、カラフルなゆで卵があり家族で食卓を囲む。

・7月:インディペンデンスデー
アメリカ独立記念日、アメリカ国民にとって重要で有名なイベント。

・9月:レイバーデー
労働者をねぎらう夏の祭り。家族や友人とバーベキューなどをして楽しむ。

・10月:コロンブスデー
1492年、コロンブスがアメリカ大陸に上陸した記念日。

・10月:ハロウィン
秋の収穫祭、悪霊を追い出すため、みんなで仮装して菓子を貰いに回る。すでに日本では広く根づきつつある。

・11月:サンクスギビングデー
感謝祭、家族で食卓を囲む祝祭日。

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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