「(味にも)自信はあります。麺には、こんにゃくだけではなく米粉も練り込んであるので、もちもちとした食感が楽しめます。また、牛丼と同じ牛肉を使用しているので、おいしさはもちろん、ボリュームもあり、ご満足していただけると思います」(同)
こんにゃく麺の意外なボリュームと水っぽさ
ゼンショーの自信を確かめるべく、販売開始当日に実際に食べてみた。
1食分の糖質量が22.0gと表記されている「ロカボ牛麺」は、牛丼に使われている牛肉などに加え、お揚げ、揚げ玉がトッピングされており、“ぜいたくな肉うどん”といった印象だ。
肝心のこんにゃく麺は、白い平打ち麺で強い弾力があり、いい意味でよく咀嚼する必要があるため、意外に食べごたえがある。懸念していた、こんにゃく独特の風味やくさみも感じることなく、おいしく完食することができた。
一方、糖質量28.5gの「ロカボ牛ビビン麺」は、その名の通り韓国料理のビビン麺をベースにつくられており、牛丼に使われている牛肉のほかには、キムチ、ほうれん草、春雨といったヘルシーな食材がトッピングされている。
口に含むと、食欲を増進させる辛みが口内に広がり、「ロカボ牛麺」よりパンチがある印象を受けた。別皿のコチュジャンダレをかけると、ほどよい味噌の甘さが加わり、まろやかな口触りに変化するため、飽きにくい点もいい。
いずれも、うどんなどの麺類を食した際に感じられる“小麦感”の代わりに、よくも悪くも“水っぽさ”が感じられた。予想外ともいえる、こんにゃく麺のボリューム感に満足しつつも、気になるのがコスパである。
通常、スーパーマーケットなどで販売されている「こんにゃく麺」や「糖質オフ麺」などの商品は130円前後が多いため、割高な印象を受ける人もいるかもしれない。しかし、「ロカボ牛麺」と「ロカボ牛ビビン麺」に使用されているこんにゃく麺には米粉が練り込まれており、確かな満腹感を得ることができるし、牛肉をはじめとしたトッピングも十分にされている。そういった点を考慮すると、妥当な価格設定といえるのではないだろうか。
ゼンショー広報に、新メニュー2種の販売数や売り上げを聞いたところ、残念ながら「回答を控えさせていただきます」とのことだったが、両立が難しいであろう「おいしさ」と「ヘルシー」を兼ね備えていることは確かなようだ。
(文=増田理穂子/A4studio)