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テンプスタッフ、炎の女性「大博打」経営者、総資産1千億円…8坪の事務所でゼロから起業

文=編集部

 改正労働者派遣法が背中を押した。12年10月に施行された派遣業への規制と労働者保護を強化した法律だ。派遣先企業の多くは、規制強化を懸念して直接雇用に切り替えるなど派遣離れが進み、人材派遣業界は極端に少なくなったパイを奪い合う状態となった。

 篠原氏は市場が縮小していくなかで、さまざまなリスクを検討した。巨額買収で財務が悪化する懸念もある。だが、最大のリスクはインテリジェンスHDが同業他社と一緒になることだった。それは絶対に避けたいと考え、国内首位のリクルートHDを追い、業界2位の地位を確実なものにするため、過去にない大勝負に出た。

 結果は、賭けに勝った。テンプHDの17年3月期の売上高は前期比14%増の5900億円、営業利益は16%増の325億円、純利益は1%減の171億円の見込み。首都圏を中心に事務派遣が好調で、米人材会社との合弁会社も業績に寄与し、営業利益は2ケタ増となった。子会社の商標権を減損処理したため、最終利益は微減となる。

 株価は正直だ。13年の株価の安値は349円(1月7日)だったが、17年3月31日の終値は2074円と5.9倍に上昇した。篠原氏が保有しているテンプHDの株式の価値が高まったことで、世界の「たたき上げ女性長者」ランキングに入った。

 テンプHDは2月17日、篠原氏が最大2800万株を売却すると発表した。17日の終値(2030円)で算出すると、売却額は568億円になる。篠原氏は16年9月末時点でテンプHD株式の24.47%を持つが、このうち半分近くを売り出す。保有比率は12%台に低下するものの、引き続き筆頭株主の座は守る。

 篠原氏は16年6月、テンプHD会長を退任し名誉会長に退いた。14年に篠原氏は持ち株の5%を投じ、篠原欣子記念財団を設立。看護師、デイケアスタッフ、ソーシャルワーカーを目指す学生らに奨学金を贈る活動を行っている。篠原学園専門学校理事長として指定保育士、診療情報管理士の育成にもあたっている。

 篠原氏は再婚もしておらず、子供もいない。財団の基本財産は現在200億円。保有株の売却で得た資金は、財団の基本財産、学校の運営につぎ込まれることになる。
(文=編集部)

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