東証一部への意欲もみせる
その後、質疑応答の時間になり、10名を超える株主から質問が挙がった。
「実在する人物を広告塔として起用するのはスキャンダルなどといったリスクを伴うので、ゆるキャラ的なものをつくってみてはどうか」
「英会話教室などもやっているのだから、教育事業に力を入れてみてはどうか」
このような、新しい試みを提案する株主が目立ち、瀬戸氏も前向きな返答をしていた。
一方、「アメリカ進出は失敗に終わったのか」という鋭い質問に対しては、こう回答した。
「マネジメントの管理が至らなかったのは事実ですが、これは意志を持った撤退です。現に、香港や台湾、シンガポールでは、接客サービスの見直しによって足元がよくなっているのも確かですので、海外進出をあきらめたわけではありません。今後は、海外事業の展開についても優先順位を上げていきたいと考えています」
さらに、こんな質問もあった。
「市場指定替えはいつになるのか」
2016年には瀬戸氏の妻を役員から外すなど、東証一部へ指定替えのための審査に向けた動きも見られるが、なかなか進展しない現段階に痺れを切らした株主からの指摘だ。
「はっきりとは言えません。我々も着実に進捗していますが、2~3年先の夢物語を話すわけにはいきません。楽しみにお待ちいただければと思っております」
瀬戸氏は、このように東証一部への指定替えに対して含みを持たせた。
株主に対する配当金額が当初予定よりも1株あたり12.10円増えたこともあってか、終始和やかなムードで株主総会は終了した。
最後に、RIZAPが開催しているボディメイクコンテストの映像が流れると、涙を見せる瀬戸氏の姿もあった。
第1号議案 剰余金の処分の件
第2号議案 定款一部変更の件
第3号議案 取締役(監査等委員である取締役を除く)9名選任の件
これらの賛成多数で可決されると、少々時間は押したものの正午に株主総会は閉会した。
(文=増田理穂子/A4studio)