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私怨での闘争
一方、創業家側も、もはや昭シェルとの経営統合を拒否する理由が、外部からは見えにくくなっている。社風の違いなどを理由に挙げていたが、「もはや私怨での闘争になっている」(石油業界筋)との憶測も広がる。
先の株主総会では12人中5人の取締役選任議案の反対を表明。注目を集めたのが、本間潔執行役員が5人の中に含まれていたこと。原油調達などを担当する国際需給部の執行役員で合併とは距離がある人物だ。むしろ、「創業家と距離が近かった」との声も出光社員からは聞こえる。
「本間さんは出光昭介名誉会長の二男・正道氏の社内での『家庭教師』のような存在。国際需給部の直属の上司であるし、なにかと世話を焼いてきた。昨年開いた正道氏の結婚披露宴の媒酌人も務めたほど。その本間さんが合併に賛成する立場をとったために、今回は狙い撃ちにされたのでは」(出光社員)
創業家側は3日夕刻に代理人を通じて、「本件株式発行が創業家の保有する議決権比率を希釈化することを目的とすることは明らかですので、直ちに、株式発行の差し止めの仮処分を申し立てる方針」と発表した。
一歩も引かぬ姿勢を示している創業家側は、ファンドなどと組んで株の買い増しに動くとの見方もあり、予断を許さない状態が続きそうだ。
(文=編集部)
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