丸亀製麺のトリドール、国内2千店の一大計画始動…千円でベロベロの立ち飲み屋が大人気！

「ひとり飲み」「ちょい飲み」ブームの追い風

　近年、ひとりで飲食店を訪れたり、旅行したりする人が増えているといわれている。「おひとりさま」という言葉が頻繁に聞かれるようになり、ひとりで自由気ままに生活している人が増えている。また、飲食店で少量のアルコール類と軽食を短時間・少人数で楽しむ「ちょい飲み」も流行している。

　キリン食生活文化研究所が15年3月に行った「飲食店での『ちょい飲み』」調査によると、「ちょい飲みを行ったことがある」と回答した人は、全体の33％にも上った。また、「ちょい飲みをしてみたい」と回答した人は85％に達する。こうした結果から、ちょい飲み市場は有望といえ、ちょい飲みができる晩杯屋の追い風となるだろう。

　ひとりで飲食店を訪れる人が多いことも追い風だ。同研究所が17年3月に行った「1人で入る飲食店」調査によると、「飲食店で、ひとりで飲食することに抵抗がない」と答えた人は64％にも上る。それも「週1回以上」の人は全体の25％で、20代男性に限れば45％にもなる。夕方以降の場合、およそ半数がひとりでお酒を飲んでいるようだ。晩杯屋は、そうした人たちの受け皿になれるのではないだろうか。

　トリドールの資本とノウハウが入ることで、晩杯屋の出店は加速していくだろう。ちなみに、今勢いのある鳥貴族が500店を達成したのは16年7月だ。1号店は1985年5月に誕生しているので、500店の達成に31年かかっている。このことから、500店を達成するのは簡単ではないことがわかる。晩杯屋がいつ500店を達成するのかに注目したいところだ。
（文＝佐藤昌司／店舗経営コンサルタント）

●佐藤昌司　店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。