下町発の「おりあみ/ORIAMI」がミラノへ
――販売については、どのように行っていますか。
石川 「Yahoo!ショッピング」などのECサイトが中心です。ほかには、伊勢丹や東急ハンズで実演販売を行っています。東京・下町の台東区、荒川区、足立区、墨田区、葛飾区の行政が推進する「産業活性化プロジェクト」の一環として開催される「TASKものづくり大賞」でも、「おりあみ/ORIAMI」は表彰されました。
また、16年には「世界発信コンペティション」で「東京都ベンチャー技術奨励賞」を受賞しています。これは、「製品・技術(ベンチャー技術)部門」「サービス部門」の2つの分野でコンペを実施し、革新的で将来性のある製品・技術やサービスに対して、開発・販売等奨励金を交付するというものです。
ただ、「おりあみ/ORIAMI」がすぐに当社の収益の柱になるわけではありません。専門の人員を配置しているわけではないため、当面はECサイトで販売実績を積み上げていくつもりです。サイトでは外国語での発信も行っていますが、まだ大きな実績には至っていません。今後は、海外のアマゾンでの販売を検討しており、世界に向けて販路を拡大して固定客を獲得する予定です。
――今年4月にイタリア・ミラノで開催された「JAPAN DESIGN WEEK in Milano 2017(ミラノ・デザインウィーク2017)」にも出展していますね。
石川 国際ファッションセンター(KFC)とクリエイティブチーム「SELF」は、東東京の優れたものづくり企業と共に「東東京モノヅクリ商店街」を立ち上げました。デザイナーと企業が協働してものづくりを紹介する場です。
そこで、東京デザインウィークの方と知り合う機会があり、「ミラノで『デザインウィーク』が開催されるから、出展してみませんか」と紹介を受けたのです。2月に出展を決めてから急いで準備をして、無事成功に終わりました。開催場所は有名なトリエンナーレデザイン美術館だったため、「おりあみ/ORIAMI」の評価が上がり、マーケティングとしても大きな手応えを感じました。
――あらためて、今後の展開についてはいかがですか。
石川 海外にECサイトの拠点を設置して、アーティストの方々との連携を深めていきたいと考えています。今、クウェートのアーティストと親交を深めて「おりあみ/ORIAMI」をPRしていただいています。
将来的には「おりあみ/ORIAMI」のファンクラブを結成し、懇親会や展示会、「おりあみ/ORIAMI大賞」などのコンペを開催していきたいです。
――ありがとうございました。
(構成=長井雄一朗/ライター)