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後日、反面調査の結果を持って調査先に再び臨場しました。社長とBにA社の主張を伝えました。
社長は「その金額でいい、とはどういうことだ」と詰め寄りますが、Bはのらりくらりとかわします。問答はしばらく続きましたが、社長が追及をあきらめ始めたので、Bの個人口座への支払いを証明する証拠を見せました。ここで事実を理解した社長は、怒髪天を衝くが如く、大声でわめきました。Bは観念して、割り増した単価の半分をリベートとして受け取っていたことを認めました。
社長は、仕事を蔑ろにして遊興に傾いていたことを反省し、今後は従業員や収支の管理を徹底すると言いました。それでも、外注費のうちリベート分は経費を否認、役員給与に振り替えて源泉徴収の対象となります。役員給与は、定期同額給与や事前確定届出給与など、限定されたもののみが損金とされますので、リベートは全額が損金不算入となります。
【法人税法第34条(抜粋)】
「内国法人がその役員に対して支給する給与のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 その支給時期が一定の期間ごとである給与で支給額が同額である給与
二 その役員の職務につき所定の時期に支給する旨の定めに基づいて支給する給与」
その後、社長が損害賠償請求権を行使したのかどうかはわかりませんが、このように従業員の不正が税務調査によって発覚するケースは散見されます。この広告代理店にとっては、膿を出す良い機会となったのではないでしょうか。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)
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