ドンキは創業以来、28期連続の増収増益
食品は集客の目玉になり得る。食品を低価格で訴求して集客を図り、非食品で利益を稼ぐ構図を描くことができる。運営会社のドンキホーテホールディングス(HD)の17年6月期の国内小売事業における食品売上高の構成比は35.7%だが、粗利益の構成比は24.0%にすぎないことからも、それが理解できる。つまり、利益を削って低価格で販売することで、販売数が伸びて売上高が拡大しているのだ。
小売事業(海外含む)における食品売上高の構成比は、拡大傾向にある。13年6月期は29.6%にすぎないが、17年6月期には34.2%にまで拡大している。5期で4.6ポイントも増加していることからも、食品に対する力の入れ具合がわかる。ちなみに、17年6月期で販売点数が一番多かったのは「牛乳」で、2番目は「焼き芋」だという。
ドンキHDの業績は好調だ。17年6月期連結決算の売上高は前年比9.1%増の8287億円、営業利益は同6.9%増の461億円と、大幅な増収増益だった。しかも、ドンキ1号店の創業以来、28期連続の増収増益だ。まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いといえる。
そんな好調のドンキHDが6月13日、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)と資本・業務提携を結ぶと発表した。ユニー・ファミマHD傘下の総合スーパー(GMS)、ユニーの株式をドンキHDが40%取得するという。
ドンキHDは、衣料品に強みを持つGMS「長崎屋」が経営不振に陥っていたところを07年に買収し、食品を充実させたメガ・ドンキに業態転換するなどして再建に成功した実績がある。
そうしたこともありユニー・ファミマHDは、長崎屋を立て直したドンキのノウハウを取り入れて、ユニーの店舗をドンキ業態に転換したり、ユニーとドンキのダブルネームの新業態店に転換するなどして不振のユニーを立て直したい考えだ。ドンキに対する期待の高さのほどがうかがえる。