ローソンはオフィス内に急速展開
ローソンは無人コンビニ「プチローソン」で対抗する。プチローソンはオフィスなどで菓子やカップ麺などを無人でセルフ販売するサービスだ。オプションで小型冷蔵庫や冷凍庫、コーヒーマシンを設置することができ、ドリンクやアイス、コーヒーなども販売できる。決済は「Suica」や「PASMO」などの交通系電子マネーで行う。
プチローソンは16年5月から実験を開始し、今年7月から東京都23区内で先行運営を開始した。約1カ月で65企業・101カ所で導入したという。これは当初の計画通りだそうだ。
ローソンはプチローソンでの売れ筋を発表した。7月3〜30日までの28日間の販売状況を集計したところ、売上高の1位は「ナチュラルローソンセレクション ナッツ&フルーツ」だったという。2位は「明治 ガルボ つぶ練り苺 ポケットパック」、3位は「ロッテ クランキーポップジョイ」だった。トップ10のうち5つがナッツや機能性表示食品のチョコレートなど、健康に配慮した食品だという。展開する商品はニーズに応じて随時入れ替えていく考えだ。
ローソンは、オフィスなどで手軽に食品などを購入できるサービスのニーズが高まっているとみて、プチローソンの導入を広げていく考えを示している。18年3月末までに1000カ所で展開する計画だ。これはファミマやセブンよりも野心的な設置数だ。実店舗数やチェーン売上高で両社に劣っている分を、マイクロ・マーケットで埋めたい考えがあるのかもしれない。
セブンがセブン自販機の導入を決めたことで、オフィスなどのマイクロ・マーケットの開拓競争が慌ただしく動き始めた感がある。その背景には、近い将来に直面すると考えられる、コンビニ店舗数の頭打ちに対する危機感がありそうだ。
経済産業省によると、コンビニは現在、国内に5万6000店以上あるという。セブン、ファミマ、ローソンの大手3社だけで5万1000店以上を展開しており、全体の約9割を占めている。大手3社は新規出店を推し進めているが、そのペースは鈍化傾向にある。コンビニは飽和状態に近づきつつあるといえる。そうしたなか、3社はマイクロ・マーケットを開拓することで成長を維持したい考えだ。