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もしかしたら、ゾゾタウンとしてはユニクロに出店してほしかったが、それが叶わったため自らPBを出すことにしたのかもしれない。自ら在庫リスクを抱えることになってしまうが、「ユニクロが出店しないのであれば自らPBをつくって補い、いずれはユニクロを駆逐してしまおう」と考えた可能性もある。これは筆者の想像だが、ありえない話ではないだろう。いずれにしても、ゾゾタウンによる低価格ベーシックPBの発売はユニクロに対する挑戦といえる。
ネット通販事業者の台頭が著しい昨今だが、もちろんユニクロもネット通販に力を入れていないわけではない。しかし、17年8月期のネット通販の売り上げ構成比はわずか6%にとどまる。中期的に30%にまで引き上げる計画を示しているが、現状は実現がおぼつかない状況だ。国内平均の10.9%にも及ばない。明らかに出遅れている。
ネット通販を担う巨大な物流センターを16年4月に東京・有明で稼働させたものの、うまく機能していないのも致命的だ。当初、当日配送を視野に入れて稼働を開始したが、現状は実現できていない。翌日配送ですら一部地域にとどまる。アマゾンやゾゾタウンなどは当然のようにそれらを実施しているのと比べると、ユニクロのネット通販の使い勝手の悪さが際立つ。
ユニクロは日本で衣料品の革命を起こした。これはまぎれもない事実だ。しかし、ネットの発達で商品販売のあり方が急激に変わっていった。この急激な変化に多くの人が、そしてユニクロもついていくことができなかったのではないか。ユニクロが本腰を入れてネット通販事業に注力したのは、アマゾンやゾゾタウンが台頭した後になってしまった。果たしてユニクロは巻き返すことができるのか、今後の動きに注目したい。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
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