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セブン、深刻な客数減サイクル突入…ファミマ、経営統合失敗で客数減地獄

文=編集部

ドラッグストアがコンビニを侵食

 スーパーとコンビニが停滞を強めるなか、ドラッグストア業界は毎年、成長を続けている。16年度の売上高は前年度比5.9%増の6.4兆円(日本チェーンドラッグストア協会調べ)。08年以来、8年ぶりに伸び率が5%を超えた。調剤事業が堅調だったほか、インバウンド(訪日外国人)向けの売り上げが伸びた。すでに百貨店の16年(暦年)の売上高5.9兆円(日本百貨店協会調べ)を上回っている。ドラッグストアはスーパーやコンビニに対抗できる規模に成長してきた。

 ドラッグストアは医薬品や化粧品、健康食品など生活や健康にかかわる商品を幅広くラインアップしている。粗利の高い大衆薬(市販の医薬品)をテコに、化粧品、日用品、食料品などを低価格で販売することでスーパーやコンビニから顧客を奪い取っている。

 北海道からM&A(合併・買収)で規模を拡大してきたツルハホールディングスは、17年9月に静岡の杏林堂薬局を子会社にしたことで、18年にはドラックストア業界の首位に躍り出る見込みだ。ツルハの躍進の原動力は、食品事業を強化したことにある。17年5月期の食品・健康食品の売上高は全社売り上げの20.4%と2割を超えた。今後、さらに食品の比率が高まる。

 異色なのが業界5位のコスモス薬品だ。同社は九州を中心に、西日本で展開している。調剤は行わず、食料品など生活必需品の安売りで業績を伸ばしている。17年5月期には食品が全社売り上げの55.6%を占めた。従来のドラッグストアのイメージではない。コスモス薬品は自らを「ディスカウントドラッグ」と称している。

 地方のドラッグストアは、なんでも揃う。風邪薬などの医薬品や化粧品だけでなく、日用品、野菜から加工食品、菓子、飲料水、酒類まで販売する。かつて食品スーパーが果たした役割を、ドラッグストアが取って代わった。

 食品はスーパーとコンビニの本丸商品だったが、その領域にドラッグストアが殴り込んできた。コンビニのひとり勝ちだった小売業界にドラッグストアが挑戦者として登場してきたのだ。
(文=編集部)

※注 スーパーとドラッグストアの年商は年度。コンビニと百貨店は年(暦年)

BusinessJournal編集部

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