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大塚家具、自力再建困難の可能性…隠れた「負債」118億円と積み上がる在庫という爆弾

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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「店舗政策を進めていくと家賃は下がっていきます。リストラをするというよりも、店舗再編の中で家賃比率が下がっていきます。私たちはこれから戦艦で戦っていくのか、駆逐艦で戦っていくのかといえば、戦艦より機動性のある駆逐艦で戦っていく。無駄なフロアーであるなら家賃を払う必要はないという考え方なのです」【※1】

 そして、大阪南港、新宿、仙台、福岡などのショールームを減床、所沢ショールームやアウトレット&リユース横浜を閉店した。人員も、上期だけで全店で16年上期の1744人から17年上期の1593人と151人削減している。

「賃料を圧縮できそうなところは前もって手を打って圧縮した。これで普通にやっていたら赤字になるような店舗は解約して、先に膿を出したというわけです」(東京商工リサーチ情報部)

 しかし、問題なのは解約不能な長期契約だ。店舗の長期賃貸は主にオペレーティング・リース取引というかたちで行われている。オペレーティング・リース取引は賃貸契約のひとつで、リース契約の間は賃貸料を支払い続けなければならない。大塚家具が抱える、オペレーティング・リース取引で解約不能なものにかかる未経過リース料は118億円だ。これは、バランスシートに出てきていない事実上の負債といえる。

 この解約不能物件の有効活用にTKPがどこまで活躍するのか、その際の賃料をどこまで負担してくれるのか。これが、今後のひとつの見どころだろう。

「TKPは、空いているスペースをまた貸しするのが主な仕事です。大塚家具は銀座店では照明など大きなものを販売していますが、経営にとっては大きなお荷物になっているのではないかと思います。単価の高いものを処分して、そのスペースを活用することなどを考えているのではないでしょうか」(業界関係者)

 TKPが直接銀座などで店舗を借りれば莫大な賃料がかかるため割に合わないが、大塚家具が安く提供してくれれば十分収益を上げることができる。10億円を支払っても、十分元がとれるというわけだ。事実、すでに新宿店の最上階フロアーをイベント会場として借りることが決まっているほか、仙台駅前のビルに入居する仙台ショールームの3~8階のうち7~8階を会議室として借り受けることになっているという。

在庫負担の軽減と店舗の縮小という矛盾する課題

 大塚家具にとっても、賃料の負担を軽減できればメリットがある。問題は、どちらがどれだけ負担するのか、その折り合いをつけられるかどうかだ。

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