全体の約15%が以前から成人誌を未販売
――以前から、オーナーの判断で成人誌を取り扱っていないケースはありましたね。
中山 学校が近辺にある店舗では成人誌を置いていないケースがあり、従来から取り扱っていなかった店舗は全体の約15%ほどです。これは他チェーンのコンビニエンスストアも同様のようで、立地によって自主規制を行っているケースはありました。
――成人誌を取り扱わないということで、新たな商材の開拓も必要ですが。
中山 代替の商材に関しては、今まで納品していなかった銘柄や新たなジャンルの配本を進めています。また、コンビニエンスストアの販売事情は立地によって異なるため、個店の強みに合わせた配本を強化しています。
たとえば、シニア層が多いエリアでは囲碁や釣り雑誌の売り上げが多く、一概に「成人誌の代わりに女性誌を増やせばいい」というものでもありません。本部から売れ筋の客観的なデータを提供し、加盟店からは「この層のお客さんが多い」という声をいただくなど、双方向でやりとりしています。
――女性誌では「付録つき」が人気です。この拡大というのは検討していますか。
中山 付録つきの女性誌は確かに人気です。実は出版社と共同で取り組みを検討中ですが、現段階では具体的なことを申し上げることはできません。以前には、旅行誌と共同キャンペーンを展開した例もあります。
――17年は訪日外国人数が過去最高を記録しました。また、東京オリンピックが開かれる20年には4000万人が目標とされています。何か対策は講じていますか。
中山 外国人のお客さまには抹茶が人気です。インバウンド戦略として、訪日外国人向けの商材開発を検討しているほか、外国人のお客さまがストレスを感じないような店舗づくりを目指しています。ちなみに、外国人従業員も増えてきており、多言語化も進展するなかでITの活用も必須になるため、現在取り組みを進めています。
(構成=長井雄一朗/ライター)