3月1日、“日本一長い!!フード&スイーツ専門店”を自称する「LONG! LONGER!! LONGEST!!!」が東京・原宿の竹下通りに誕生した。
メニューはソフトクリームなど4種、長さは各3段階
同店のメニューはソフトクリーム、トルネードポテト、チュロス、わたあめの4種。それぞれに「LONG」「LONGER」「LONGEST」の3サイズ展開しており、「LONGEST」が運営会社によるところの“日本一長いフード”なのだという。
【ソフトクリーム】
LONG(30cm)500円/LONGER(34cm)600円/LONGEST(40cm)700円
【トルネードポテト】
LONG(35cm)500円/LONGER(42cm)650円/LONGEST(52cm)800円
【チュロス】
LONG(35cm)500円/LONGER(45cm)600円/LONGEST(55cm)700円
【わたあめ】
LONG(40cm)600円/LONGER(50cm)700円/LONGEST(60cm)800円
※価格はいずれも税込
同店のなかでも最長なのがわたあめの60cmだが、次第に溶けていってしまうアイスクリームが40cmもあるというのは、食べながら焦ってしまうであろうことは想像に難くない。
ちなみに、ソフトクリームは大阪アメリカ村で日本一長いソフトクリームをウリにしている「Long Softcream」とのタイアップ、チュロスは「CRAFT BIT DANNY CHURROS」から提供を受け、トルネードポテトは世界中で同商品を展開している「twistpotato-japan」から機材類の提供を受けており、複合コラボショップのビジネスモデルと言えそうだ。
また同店は、巨大カラフルわたあめ店として原宿で人気を博している「TOTTI CANDY FACTORY」と同じ運営元ということもあり、トレンド感度の高い若者たちの“インスタ映え”需要を狙った店舗と考えていいだろう。
購入した若者からは「インスタ映えしない」との声も
そこで記者は、『LONG! LONGER!! LONGEST!!!』オープン後、最初の週末となる3月4日の夕方、現地取材に訪れた。
商業ビル内の1階に店舗を構えており、日曜日の夕方ということで長蛇の列も想定していたが、記者が訪れた際に行列はなかった。4~5人の客がフードを買い求めていたが、特に混雑している様子はなく、少々肩透かしを食らった印象である。
店舗は基本的に注文・受け渡しカウンターのみのシンプルな形態。カウンターの近くには大きな鏡があったが、おそらく一人客でも商品を持って自撮りできるようにと設置されているのだろう。実際、記者が滞在した約30分の間に、数名の若者が鏡を使って自撮りに興じる姿が見受けられた。思ったほどの混み具合ではないものの、インスタ需要が一定数あるだろうことは確認できた。
そして、店舗周辺には何席かの共有イートインスペースがあったため、記者はそこで同店のフードを手にしている若者たちに話を聞くことにした。
「ツイッターで『日本一長いお店がオープンするよ』って友達のツイートを見て来てみました。こういう“見て面白い食べ物”があるお店には、可能な限り現地まで行っているんです。わたあめを買って、もうさっそくインスタ(instagram)に上げました」(10代女性)
「“インスタ映え”するかなと思って来てみました。写真は撮ってあるので、あとでインスタに上げます。食べるためだけではなくて、インスタに載せるために来たという部分が大きいので。ただ、ソフトクリームを買ったんですけど、溶けてきちゃうし曲がってきちゃうしで大変。量が多いので食べきれるかも心配です」(20代女性)
「彼女に誘われてついてきました。ソフトクリームとポテトを食べましたが、味は普通ですね。長いだけで、単なるアイスやポテトと変わりないので、『そこまで話題にするほどか?』と思いました」(20代男性)
「友達から『インスタ映えするよ』と誘われて、面白そうと思って来たんですが、私のインスタには上げないですね。自分の(インスタの)世界観が壊れちゃうので。カラフルなわたあめはかわいいけど、これ自体は一昨年さんざん流行ったネタだし、それ以外のソフトクリームやポテトやチュロスは色味が地味だからインスタ映えしなさそう。やっぱりインスタ映えを狙うなら、もっとキラキラしていたり、かわいい色使いのものじゃないと」(20代女性)
最後に記者もソフトクリームのLONGEST(700円)を購入してみたが、カウンターで受け取った時点ですでにやや曲がっていた。驚きや面白さといった感動よりも、“早く食べなければ”という焦燥感が勝ってしまったというのが正直な感想である。
20代女性のコメントにもあったが、ソフトクリームゆえに時間がたつほど溶けてきてしまい、手がベトベトになるのはもちろん、ワッフルコーンから崩れ落ちてしまわないかと不安がつきまとうのだ。そして味は、おいしいのは確かだが、特筆するほどではなかった。
このように、味は普通レベルで食べづらさが際立っており、インスタ映えという観点を除くと魅力はいまひとつ。そのインスタ映えの観点からも、記者が現地調査した限りでは、若者たちから大好評というわけではなさそうである。
しかし、取材した時点では、まだオープンして日も浅かったため、今後、春休みやゴールデンウィークに中高生がこぞって訪れてインスタにアップすれば、一気にブームになる可能性はある。
(文=増田理穂子、昌谷大介/A4studio)