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富士フイルムのゼロックス買収頓挫、古森会長は会見欠席で雲隠れ…日頃は熱いリーダー論語る

文=編集部

 ゼロックスは5月15日、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で、「10日までに株主への特別配当を5割(12.5億ドル、1380億円)積み増すよう富士フイルムHDに求めたが、回答が得られなかった」ことや「虚偽の声明を出したりした」と主張した。この点について助野氏は「(ゼロックスの言い分は)正しくない」と“泥仕合”の様相を呈している。

 助野氏はCOO(最高執行責任者)だが、この問題の当事者ではない。ゼロックスのジェイコブソン前CEOと直接交渉をしていたのは古森氏やその側近である。

 助野氏は「買収計画は実現できない場合の戦略」を問われ、「仮定の話。このスキームがベストと関係者に訴える姿勢は変わらない」と述べるにとどめた。

 富士フイルムHDの19年3月期決算の業績予想には、買収の影響を織り込まなかった。

 昨年6月29日の株主総会での古森氏の取締役選任に対する賛成率は83.26%、助野氏は80.51%と低かった。古森氏の16年の支持率は94.68%、助野氏は97.20%だったので、古森氏は11.42ポイント、助野氏は16.69ポイントも支持率が下がった。

 富士ゼロックスの海外の販売会社の不正の実態について、きちんと説明責任を果たさなかったトップに株主が異議を申し立てたかたちだ。今年の富士フイルムHDの株主総会では、両氏の支持率はさらに下がるとみられている。

 古森氏が安倍晋三首相の“応援団”といわれていることもあってか、ガバナンス(企業統治)能力に言及した記事は、ほとんど見当たらない。古森氏についても、経済ジャーナリズムは、“忖度”をしているのであろうか。

 古森氏はリーダーの資質について、「社会や会社に対する使命感、全体のためにやる気持ちがないとダメだ」と常々、語ってきた。そうであれば、ゼロックスの買収が暗礁に乗り上げた経緯について、自ら前面に出て説明する必要があるのではないだろうか。

BusinessJournal編集部

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