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オリンパス、不祥事続出で米司法省が警告…同社製内視鏡で死亡事故、中国マフィアと契約

文=山口義正/ジャーナリスト
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オリンパス、不祥事続出で米司法省が警告…同社製内視鏡で死亡事故、中国マフィアと契約の画像1オリンパスの事業所(「Wikipedia」より/Kamemaru2000)

 8月7日、オリンパスが今期の業績見通しを下方修正した。中国・深セン子会社が訴訟で敗れたことに加え、損失隠し事件をめぐって損害賠償請求訴訟で和解したことに伴う支出が響くためだ。営業利益は計画を大幅に下回り、従来予想の810億円から590億円へ改めた。

 注目すべきは、深セン子会社「OSZ」が敗訴したことと、その相手であろう。OSZを相手取って損害賠償請求を起こしたのは安平泰という現地のコンサルタントだが、その実体は中国マフィアであることはこれまでに触れてきた通りだ。オリンパスは税関とのトラブルを解決してもらうために安平泰と契約を交わし、その報酬支払いをめぐって安平泰に訴えられて敗れたのだ。

 しかも安平泰を率いる陳族遠は6月28日、中国で別の贈賄事件で裁判にかけられていることが現地メディアで報じられ、裁判の模様は中国の動画サイトで公開されている。

 この事件では収賄側だけが数年前に有罪判決を受けていながら、なぜか贈賄側の安平泰だけは一切報じられることなく、裁判が始まっていることすら知られていなかった。実際には陳族遠が一審で贈賄を認め、量刑を不服として二審で争われていることが浮かび上がった。これは、オリンパスの「知らぬ、存ぜぬ」「問題はない」といった言い分が通用しないところまで追い詰められようとしていることを意味する。

 以上は、2011年に発覚した損失隠し事件後にオリンパスが社風や企業体質を改めなかったことが背景にある。法令を順守して誤りがあればそれを認めて正す社風が、損失隠しから7年が過ぎた今も確立されておらず、司法当局から信頼を失ったままであることを示すエピソードを紹介しなければならない。

米司法省が厳しく批判

 前述したOSZのマネジャーが、冒頭で触れたコンサルとの契約を問題視し、海外の有力な法律事務所に意見書の作成を求めたことは、これまでに触れた通りだ。こうして作成された3通の意見書は他の内部資料と共に、そのコピーが米司法省と日本の証券取引等監視委員会に渡った。前回記事では「オリンパスは国内外の行政当局から完全に睨まれることになるだろう」と指摘したが、すでにオリンパスは米国市場の別の問題によって信頼を回復できずにいる。

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