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こうしたことからもわかるが、客離れは月日を経るにつれて拡大している。4月までの客数は、マイナスだったとしてもそれぞれの月の減少率は一桁にとどまっていたが、5〜7月はそれぞれの月で二桁減と大幅な減少になっている。特に7月は天候不順などの影響もあるが、14.2%減と大幅なマイナスとなった。8月は一桁減とはいえ、9.2%減とマイナス幅は決して小さくない。値上げに対して最初は我慢できていた人も、次第に離れていったのだろう。また、値上げしたことが広まり、それを嫌う人が増えていったとも考えられる。
「既存店売上高3%減」の見通しは甘すぎ?
こうした状況を受けて、鳥貴族は今期(19年7月期)の方針として、新規出店を抑え既存店のてこ入れに注力すると発表した。
新規出店に関しては、18年7月期は98店を出店して期末店舗数は665店となったが、今期は41店の新規出店にとどめる。ここ数年では相当少ない。既存店に注力するほか、大量出店による鳥貴族店舗同士の客の食い合いを最小限度に抑える狙いもある。
既存店へのてこ入れは、付加価値の高い新メニューを開発するほか、調理技術や接客力を高める方針を掲げる。主要顧客層の獲得策も実施していく。主要顧客層である20〜30代男女に対して同社が実施したインターネット調査(対象エリア:関西・関東・東海、サンプル数:2万)によると、鳥貴族を知らなかった人が23%、鳥貴族を知っているが利用したことがない人が32%にも上ったという。こうした結果から、過去に利用した人を呼び戻すだけでなく、新規客の取り込みにより力を入れていく考えだ。これらの施策により、今期の既存店売上高の対前年比増減率を3%減(前期は3.7%減)にとどめるという。
今期の業績見通しは、売上高が前年比11.7%増の379億円、純利益は同12.9%増の7億円とした。店舗の労働環境改善のための改修投資として1億円を計上し、不採算店の閉鎖や減損損失の可能性を想定した特別損失4億円を織り込んだ。
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