しまむらの業績低迷が続いている。同社が10月1日発表した2018年3〜8月期の連結決算は、売上高が前年同期比3.0%減の2756億円、営業利益が同40.0%減の143億円と減収減益だった。
併せて通期の業績見通しの下方修正も発表し、売上高の見通しを従来の5875億円から5700億円(前期比0.9%増)に、営業利益は510億円から394億円(同8.1%減)に引き下げた。
業績低迷に苦しんでいるのは、売上高の8割弱を稼ぎ出す「ファッションセンターしまむら」で苦戦が続いているためだ。18年3〜8月期に18店増えて店舗数は1419店となったものの、売上高は前年同期比4.7%減の2148億円と減収となった。
既存店の不振が大きく影響したため、店舗数が増えたにもかかわらず、全体の売上高は減ってしまった。18年3〜8月期の既存店売上高は前年同期比6.9%減と大きく落ち込んだ。4月に「しまむら1400店舗記念セール」、5月に「会社設立65周年記念セール」を開催し、チラシで低価格品を訴求するなどの施策を講じたが、4月こそ売上高が1.4%増と前年同月を上回ったものの、5月は7.7%減と振るわず、6月と7月は長雨や台風、猛暑といった天候不順の影響もあり、それぞれの月で10%超の大幅マイナスとなった。
しまむらは「商品の魅力」と「売り場の魅力」に問題がある。
しまむらの商品の魅力は明らかに低下している。欲しいと思える商品が少なくなったとの声をよく耳にするようになった。15年に発売した「裏地あったかパンツ」の大ヒットが記憶に新しいが、その後はヒット商品に恵まれておらず、近年は魅力的な商品に欠けている感が否めない。
また、消費者の選択肢が増えたほか、衣料品を手軽に買える環境が整ってきており、それにより消費者の目が肥え、しまむらの商品が魅力に乏しく見えるようになったという側面もあるだろう。