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出光興産、経営を混乱させる創業家というガン…次男の社長就任を要求し経営統合を妨害

文=編集部
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出光興産、経営を混乱させる創業家というガン…次男の社長就任を要求し経営統合を妨害の画像1出光興産のガソリンスタンド(撮影=編集部)

 石油元売り2位の出光興産と同4位の昭和シェル石油は、2019年4月の経営統合後の新体制を発表した。取締役(社外を含む)の数は両社5人ずつとバランスを取り、統合に反対してきた出光創業家からも取締役を出す。「対等」と「融和」を図る人事となった。

 両社は昭和シェルが出光の完全子会社となる株式交換の契約を結んだ。昭和シェル株1株に対し出光株0.41株を割り当てる。登記上の社名は「出光興産」とし、事業上は通称の「出光昭和シェル」を使う。昭和シェルは19年3月27日に上場廃止となる。

 新出光の社長は、現出光社長の木藤俊一氏が引き続き務める。統合を主導した出光の月岡隆会長と昭和シェルの亀岡剛社長は、それぞれ代表権のある会長と副会長に就く。会長と社長を出光側が握ることに昭和シェルが反発し調整が難航したが、昭和シェルの岡田智典副社長が代表取締役になり、代表取締役は2人ずつ出すことで決着した。

 最大の懸案は、統合に反対してきた出光創業家の処遇だった。創業家からは、出光昭介名誉会長の長男・正和氏が非常勤の取締役に就く。正和氏は、創業家の資産管理会社、日章興産の社長。日章興産は出光株の13.04%を保有する筆頭株主だ。加えて創業家の顧問弁護士である久保原和也弁護士も社外取締役に入る。

【統合新会社の経営体制】

代表取締役会長 月岡隆(出光興産代表取締役会長)
代表取締役副会長執行役員 亀岡剛(昭和シェル石油代表取締役社長執行役員CEO)
代表取締役社長執行役員 木藤俊一(出光興産代表取締役社長)
代表取締役 岡田智典(昭和シェル石油代表取締役副社長執行役員)
取締役 松下敬(出光興産代表取締役副社長)
取締役 新留加津昭(昭和シェル石油常務執行役員)
取締役(非常勤) 出光正和(日章興産代表取締役社長)
社外取締役 久保原和也(九帆堂法律事務所弁護士)
社外取締役 橘川武郎(出光興産社外取締役)
社外取締役 マッケンジー・クラグストン(出光興産社外取締役)
社外取締役 大塚紀男(昭和シェル石油社外取締役)
社外取締役 安田結子(昭和シェル石油社外取締役)

千恵子夫人は「次男・正道氏の社長就任」を求める

 15年7月、出光と昭和シェルは経営統合で合意した。以来、3年以上、出光の大株主である創業家は反対の姿勢を貫いてきた。これほどまでに揉めた背景には、出光家の後継者問題があった。

 表向きは、創業家は「合併を白紙に戻せ」という立場だが、創業家側の浜田卓二郎弁護士と会社側の弁護士の話し合いのなかで、昭介氏の次男の正道氏を社長にするよう要求していたことが後日、明らかになった。

 昭介氏と千恵子夫人の間には3人の子供がいる。長男の正和氏と次男の正道氏、そして長女だ。後継者として期待していた正和氏は出光を去り、資産管理会社・日章興産の社長となり、長女も別の道を歩んだ。

BusinessJournal編集部

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