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確かに、高山の『トラペジウム』はアイドルを目指す少女が主人公の青春小説だ。現役アイドルがアイドルを描くという二重構造によって、フィクションではあるものの、読者は文脈に著者のヒストリーを重ね合わせるという効果を生むわけだ。同様に、押切の処女小説もモデル業界を舞台にした作品だった。
人気芸能人がファンの共感を得やすいテーマで小説を書けば、そこそこ“当たる”ことが約束されたようなもの。アイドル作家の誕生は「確実に当たるコンテンツ」を欲しがる出版不況の深刻さを浮き彫りにしているのかもしれない。
(文=ジョージ山田/清談社)
●取材協力/亀谷敏朗 担当書籍『習近平の大問題』
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