マッサージ店の倒産増加が止まらない…無資格者の施術が蔓延、不正な広告や療養費請求も

無資格マッサージ店が乱立、療養費の不正請求も

――国家資格の無資格者がマッサージしているケースもありそうですね。

 あん摩マッサージ指圧師等は国家資格ですが、最近はたとえば「◯◯リラクゼーション」「◯◯ほぐし」などの名目で無資格のマッサージ店が乱立しているといわれています。厚労省は都道府県と連携し、無資格者によるマッサージや指圧の防止に努めています。

 また、「○○療院」「○○治療所」など医療機関と誤認するような屋号が見受けられるほか、法律で認められていない項目を店頭やチラシに掲示する不正広告も横行しています。本来は、効果、効能などの明示、料金表示などを店頭やチラシに掲示することも不正広告に該当します。

 民間の健康保険組合などでつくる柔整問題研究会が東京・目黒区の全145カ所の施術所の広告を調査したところ、違法性がなかったのは4カ所だけでした。厚労省の「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」では不正広告防止について検討していますが、過度な期待を持たせる広告は避けるべきでしょう。

――業界的に不正が横行しやすい体質があるのでしょうか。

 接骨院では、骨折や捻挫などの施術にあたり「療養費」の不正請求も後を絶ちません。不正請求を行った柔道整復師の免許取り消しや業務停止処分は08年からの10年間で171人におよび、うち69人は逮捕されています。柔道整復師は養成校を卒業後、5~10年ほどの実務経験を経て独立するケースが大半でしたが、今は卒業生の2割程度が資格取得後すぐに開業し、十分な知識や経験を得ないまま、不正行為に手を染めるケースが少なくありません。

 この現状を放置している限り、業者間の過当競争が沈静化することはないでしょう。そして、過当競争は顧客の奪い合いの激化を招き、不正に手を染めてしまうという悪循環に陥りがちです。指針やルールの策定をしっかりと行い、不適格業者を排除しつつ、健全な業者を育成していく必要があります。
(構成=長井雄一朗/ライター)

【※1】
本調査の「マッサージ業、接骨院等」は、TSR業種コードの「療術業」から抽出した。具体的には、マッサージ業、整骨院、鍼灸院、整体などを含む。

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