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『ルールを変える思考法』著者・川上量生氏インタビュー

ドワンゴ川上会長に聞く、ニコ動成功の理由と、社会を不幸にするネット世論のおかしな構造

2013.11.11 2013.11.12 03:12 企業

ネット世論が時として過熱して“炎上”という現象が起こることがありますが、その発生メカニズムについて川上さんはどのようにお考えですか?

川上 まず、ネットで炎上事件を起こしているのはどういうような人たちかということを、理解する必要があります。わかりやすい表現で言うと、現実社会に居場所のない人、社会からはみ出した人です。居場所のないことに対する憤り、恨み、ねたみを強く持つ人たちが、突然ネットという武器を持ったのです。そういう人たちが、「炎上する事件」「炎上しない事件」を決めているのです。

 彼らにとっては、「今までは自分は社会的に下の位置だったのが、ネット中心の世界では自分たちが上のヒエラルキーになった」という、まさに人生の逆転なのです。

–最後に、そんなネット関連のビジネスを広く展開するドワンゴが、今後どのようなビジネスを展開しようとしているのか教えてください。

川上 やはり、まだ誰もやっていないことがいいですよね。もしくは、みんなやろうとしているけれども、誰も成功していない。そういうものがいいですね。

 実は僕は、「ビジネスを成功させたい」という思いは、あまり持っていません。ニコニコ動画をつくった時もそうなのですが、何かの目標に向かってやるのではなくて、「成功するモデルというものをつくりたい」という欲望に基づいて行動しています。世の中をあっと言わせる、今までこういう展開はなかった、こういう展開は想像していなかったというようなことをやりたい。まさに愉快犯なのです。だから、「ITで世の中の人を幸せにする」などとは、まったく考えていません。

 IT業界で、「普通であればこういう方向に流れていくな」という時に、「こういうことをやればその流れの向きが変わる」ということを見つけて、変わったということをやりたいわけです。どちらに変わるのかは、どうでもいいことなのです。そこにこだわりはありません。

–ありがとうございました。
(構成=編集部)

BusinessJournal編集部

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