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ビニールの素材もPVC(ポリ塩化ビニル)から、燃えた時に塩化水素などの有毒ガスが発生しない環境に配慮したAPO(非晶質ポリオレフィン)やEVA(エチレン・ビニール・アセテート)などの素材に変化していった。
ちなみに、たまに話題になるが、なぜこのお客が誰も理解できない難しい素材名を傘の持ち手部分に記載しているのかというと、それぞれ独自に売り出している傘を、どこのコンビニで買ったかということを覚えてもらうのが狙いなのだとか。
また、近年パソコンやiPadなど精密な機器を持ち歩く人が増えたため、これらが濡れないように大きな傘が欲しいという要望に対して、55センチから65センチが主流になり、今は70センチという大きなサイズの商品も発売されている。
さらに販売面においても、昔は傘本体に売価タグがついていて、すぐ使いたいお客に対して商品を渡すのに時間がかかっていたが、今はフィルムで包むだけにするなどして、接客時間が大幅に短縮されている。
このように、さまざまな生産面での制約を逆手に取り、ここ10年でビニ傘は大きな変化を遂げているのだ。
とはいえビニ傘は、生産地である中国でもほとんど使用されていないし、世界的に見てもアジア圏のほんの一部のコンビニで販売されているだけで、日常的に使うのは、世界でも日本だけと言われている。使い捨て感覚のビニ傘は、贅沢日本の象徴的商品でもある。今後の節電や断捨離など、節約意識が高まるなかで、デザインもファッショナブルに進化していくことで、使い捨てされるものから、世界でも日常的に使用されるなると、新しい市場が見えてくるのだ。
(文=渡辺広明/流通クリエィティブディレクター)
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