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毎日の買い物が超便利になる! コンビニ考現学第4回

ビニール傘に付く”APO”や”EVA”の意味とは?

文=渡辺広明/元コンビニバイヤー
post_377.jpgいつもお世話になります。「足成」より

コンビニ歴21年・バイヤー歴15年の筆者がコンビニを選ぶ視点から、お得情報、裏ワザまでを伝授!バックヤード事情を見れば毎日の生活が変わる――

<今回のテーマ>コンビニとビニール傘

 7月に入り、そろそろと梅雨も終わりの兆しを見せてきているが、まだまだお出かけ前に、傘を持っていくかどうかを見極めるため、天気予報を確認する時期だろう。また、台風が来ると、自分のビニール傘が破壊されたり、道端でその残骸を見る機会も多い。突然のゲリラ豪雨やスケールの大きい台風・突風など異常気象の影響で、緊急目的での購入が急増するビニール傘のコンビニ売上は、ここ1年あまりで前年比160%と絶好調である。今回は、そんな誰もが1度は買ったことがあるビニール傘について解説する。

 さて、3000品目前後あると言われるコンビニで扱う商品で、1店舗あたりの在庫数が最も多いのが、ビニール傘であることをご存じだろうか? 約50~100本の在庫を常時確保しているのだ。

 また、コンビニのビニ傘の年間販売数は、天候要因にもよるが、推定4500万~5500万本と言われている。これは単純計算で、国民の3分の1以上がコンビニで年に1回買っているということになる。また日本人の傘所有数は、1人あたり5本前後で、そのうち6割前後が、ビニ傘だと言われている。

 そして、ビニ傘は、コンビニで最も瞬間的販売数が上がる商品でもある。夕方の帰宅ラッシュ時にゲリラ豪雨が来ると、駅前立地店舗などでは10分で30本の傘が売れてしまうなんてこともざらなのだ。

 こんな背景もあり、JR東日本がエキナカに展開するニューデイズが、コンビニチェーンの中で、1店舗あたりのビニ傘の販売数が群を抜いている。通常、商品の販売数は、店舗売上と比例するのが一般的だが、ビニ傘の販売数に限っては駅前立地店であるということが、販売数の高い店舗の絶対条件である。また、タクシーの初乗り運賃がライバルとなっていて、首都圏だと、タクシーの初乗り運賃が710円な一方、ビニ傘の価格は399円~525円のため、傘を買ったほうがコストパフォーマンスが良いと考える人も多いようだ。

 このように、販売数も見込め、(腐ったりしないので)在庫廃棄リスクもなく、店舗利益が50%を超える高利益の商品のため、日用品では、唯一フランチャイズオーナーの発注意識の高い商品となっているのだ。

渡辺広明/元コンビニバイヤー

渡辺広明/元コンビニバイヤー

コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング代表取締役として、顧問、商品開発コンサルなどに多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。『ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた』『コンビニを見たら日本経済が分かる』等著書多数。
渡辺広明公式ホームページ

Twitter:@yaramaika

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