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フジテレビ、大谷翔平の自宅を無断で放映→「訪問はお控えください」注意喚起

文=Business Journal編集部
フジテレビ、大谷翔平の自宅を無断で放映→「訪問はお控えください」注意喚起の画像1
フジテレビ(「Wikipedia」より/Kakidai)

 米大リーグ・ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が購入したとされる邸宅の外観と周辺を映した映像など、住所と建物が特定されてしまう内容をフジテレビ系情報番組『Live News イット!』と日本テレビ系ニュース番組『news every.』が放送した問題。3日放送の『イット!』内でアナウンサーが謝罪したが、そのコメント内容が視聴者に対して大谷選手の自宅を訪問することを控えるよう呼び掛けるもので、さらに番組終盤での謝罪コメント読み上げとなったことに批判が寄せられている。

 4日(日本時間)時点で米大リーグのナ・リーグの本塁打・打率トップの大谷選手。3日には今月16日に行われるオールスターに選出され、2021年から4年連続でのオールスター出場を決めた。今シーズン開幕直前の3月には元通訳、水原一平氏が違法賭博を行っていたとして球団から解雇され銀行詐欺の罪に問われるという騒動に見舞われたものの、好調な成績をあげている。

 5月には、ドジャースの本拠地ドジャースタジアムから車で約20分ほどの距離にある場所に邸宅を785万ドル(約12億3000万円)で購入したことが明らかに。現地報道によれば、3階建てでベッドルームが5つ、バスルームが6つ備えられているという。

フジテレビは謝罪コメント

 そんな大谷選手の邸宅をめぐる報道が問題に発展している。5月23日放送の日本テレビ系のニュース番組『news every.』は、邸宅があるロサンゼルス郊外の高級住宅街を訪問レポート。ハリウッド俳優や人気司会者などが暮らしていると説明し、レポーターは大谷選手の邸宅とみられる建物の前まで行くと、「あの家ですかね。大谷選手が購入した邸宅とみられます」と語り、映像にはその外観が映し出されていた。続けて、「敷地全体の面積は4000平方メートル」「備える設備も超ド級」「ジム、サウナ、シアタールーム」と物件の詳細を伝え、バスケットボールのコートもあるという説明シーンでは大谷選手の妻・真美子さんが元バスケットボール選手であることから「バスケットコートは妻のため?」と書かれたテロップが表示されていた。

 その後、フジテレビ系の『イット!』や朝の情報番組『めざまし8』も現地を訪問レポート。邸宅の前から建物の外観を撮影し、近隣住民への取材を敢行していた。

 キー局である2社が大谷選手の極めてプライベートな情報を放送したことを受け、SNS上では問題視する声が続出するなか、一部メディアでは、2社がドジャースから取材パスを凍結され、加えて大谷選手のマネジメント会社から過去の映像の使用を禁止されたとも報じられていた。これについてフジは、取材パスを失ったという事実はないとする一方、大谷選手と関係者への謝罪コメントを出していた。

「現在の放送倫理基準に則れば、問題があるといえる。大谷選手が高額な報酬を得ていることは周知の事実なので、住居がバレることで、大谷選手と夫人が窃盗や誘拐などの犯罪の被害に遭うリスクを高めてしまう。著名人については本人の許可なく住宅の外観を撮影する行為のみならず、住居があるエリアが特定される報道も現在ではNGとされている。当人や家族に身の危険が及ぶ行為までいかなくても、さまざまな迷惑行為の被害を受けるリスクが生じる。誘拐などを防ぐために著名人の未成年の子どもが在籍する学校を報じることも事実上禁止されているが、もし仮に今後、大谷選手夫妻が子どもを授かれば、住居が特定されてしまうことで子どもが誘拐されるリスクを高めてしまう恐れもある」(テレビ局関係者/5月25日付当サイト記事より)

「新居には多くの観光客や地元の方が訪れる状況が発生しております」

 フジは3日放送の『イット!』の終盤でメインキャスターの青井実アナが「当番組では、大谷選手の新居について取材、報道しましたが、大谷選手とそのご家族、代理人をはじめとする関係者の皆さんにご迷惑をおかけし、お詫び申し上げます」と謝罪。続けて以下のようにコメントした。

「新居には多くの観光客や地元の方が訪れる状況が発生しております。大谷選手の自宅をはじめ、プライベートな空間を訪れることはお控えいただき、大谷選手に会いたい時は、球場に足を運んでくださるよう、お願い申し上げます」

 これに対しSNS上では以下のようにさまざまな声が寄せられている。

<日テレやフジテレビが放送したからそうなったのでは>

<誰のせいで今の状況になっているのか>

<新居と引越し費用を全額補償しなきゃならないくらい重罪>

<謝罪が遅すぎる 実害が出てからようやく謝罪って>

<他人の家を人に曝しておいてゴメンナサイで済ますのか>

 テレビ局関係者はいう。

「フジテレビは、大谷選手に被害が生じる事態を招いた加害者の立場なので、人々に訪問を控えるように注意喚起する立場にない。また、こうした謝罪は番組の冒頭ですべきであり、終盤というタイミングで行ったのは、世間から注目を集めないかたちで『謝罪した』という既成事実をつくろうとしたと受け取られても仕方ない。

 現在、原則としてメディアは当人が犯罪をおかした場合などを除き、タレントやスポーツ選手など著名人の自宅の外観・周囲を映すことはしないルールになっている。プライバシーが侵害されたり、犯罪に巻き込まれる恐れがあるからだが、日本でルール違反となる報道が米国に住む日本人相手だとOKになるはずがない。特に米国は銃社会であり、大谷選手夫妻が危険な目に遭うリスクも高まるので、大谷選手が購入した住居を手放して引っ越しをしたり、警備員を雇わなければならなくなる可能性もある。よって。一アナウンサーが番組内で一言謝って済む問題ではなく、関係者・責任者の処分なり会社としての対応が必要な事案だといえる」

 フジテレビ系『めざまし8』も4日、番組内で同様のコメントを発表。一方、日本テレビは謝罪コメントなどは発表していない。

(文=Business Journal編集部)

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