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モバイルSuica、改札内で充電切れ→現金精算&返金不可の納得の理由

文=Business Journal編集部
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JR東日本公式サイトより

 モバイルSuicaを利用して電車に乗っている際にスマホの電源が切れた場合、改札を出るには現金精算しなければならない、との話が注目を浴びている。たとえ定期利用の場合でも、スマホが充電切れしたら現金精算しなければならず、後日充電が復旧した後でも返金はしれもらえないという。「スマホの充電切れは利用客の落ち度なので、客側が負担するのは当然」との声がある一方で、「改札内で充電できるようにしてほしい」との声もある。JR東日本は、「Suicaの不具合ではなくスマホの電源切れの場合は補償しない」とのスタンスだ。

 JR東日本が展開する「モバイルSuica」は、Suicaのアプリをスマホにインストールすることで、スマホをかざすだけで改札を通れるほか、さまざまな店でモバイル決済にも用いることができる。さらに、スマホ上で残高確認ができ、クレジットカードを登録しておけば、チャージも簡単に行うことができる。ほかにも、グリーン券や新幹線の予約などもスマホ上で済ませることができるなど、利用の幅は広がっている。

 そのため、カード式のSuicaをやめてモバイルSuicaに移行している人は多いだろう。また、世界的な半導体不足の影響もあって、昨年夏ごろから新規でのSuicaカード発行は停止されているため、新たにSuicaを使い始めたい方は原則的にモバイルSuicaを利用せざるを得ないという事情もある。ちなみに、記名式のSuicaは今年9月1日から販売が再開される。

 そんななか、モバイルSuicaの問題点を浮かび上がらせ、同時にカード式Suicaの良さを再認識させる出来事があった。それは、元電車運転士がXに投稿した次の一文。

「モバイルSuicaを使用する際に、スマホが充電切れの場合、定期券でも現金精算かつ後日の返金も不可です。これ旅客とめっちゃ揉めます。ルールに則って精算してるんですが、駅係員はめっちゃ詰められます。これをなんとかできたら駅係員も旅客もお互いにニッコリなんだけどね」

 モバイルSuicaはスマホを立ち上げなくても改札機を通したり、買い物で決済をすることができるが、充電が切れると利用できなくなることがある。予備電力機能が付いている端末の場合、充電が切れた状態でも一定時間、Suicaは利用可能だ。ただし、端末の電源をOFFにすると、この機能は使えない。端末ごとに異なるが、5時間程度は猶予があるといわれている。

 JR東日本の公式サイトによると「改札が出る前に電源が切れた」場合について、「端末の電源がOFF又は完全に消耗された状態ではご利用になれません。改札を出る前(移動中)に端末が使えなくなった場合は、駅の改札係員にお申し出のうえ、以下の通りご対応ください。このケースはSuicaの不具合によるものではないため、定期券のご利用ができない等により負担された運賃の返金や補償はいたしません」とされている。また、対応方法としては「乗車駅からの運賃を現金で精算」「後に端末の電源をONにした状態で、改札係員へ再度お申し出の上、改札入場時のデータを消去」の2つが示されている。

JR東日本に「現金精算かつ後日の返金も不可」ルールについて聞いた

 Business Journal編集部はJR東日本の広報に、スマホの電源が切れた場合の対応について話を聞いた。

――定期券でも現金精算かつ後日の返金も不可というルールは本当でしょうか。

JR東日本「改札を出られる前(ご移動中)に電池切れ等の理由で端末が使えなくなった場合は、駅の改札係員にお申し出のうえ、乗車駅からの運賃を現金でご精算いただいております。

 このケースはSuicaの不具合によるものではないため、定期券のご利用ができないことによりご負担された運賃の返金や補償はいたしかねます。

 なお、予備電力機能がある端末をご使用の場合には、充電が必要な状態になった後も一定時間はSuicaをご利用いただけることがございます。ただし、端末の電源がオフになっていたり、電池が完全に消耗されていたりする状態ではこの機能は使えません」

――なぜ、このようなルールなのでしょうか。

JR東日本「モバイルSuicaは、自動改札機等の機器で端末のICチップ情報を読み取ることでSuicaの有効性を確認しております。端末の電池切れ等によりICチップの情報を読み取れない場合はご利用いただけません。また、このケースはSuicaの不具合によるものではないため、ご負担された運賃の返金や補償はいたしかねます」

――このようなことが原因で、駅員と乗客が揉めることは多いのでしょうか。

JR東日本「お客さまの個別の事例につきましては回答を控えさせていただきます」

 鉄道利用客側としては、電源が切れたとしても、なんとか急速充電のような形でスマホを一時的に復活させて改札が通れるようにしれもらえないか、と考えるのも理解できる。一方で、「スマホにSuicaを入れたのであれば、バッテリー状態は常に把握するのが当然」として、充電切れを起こした利用者に非があり、鉄道事業者側に文句を言うのは筋違いだと指摘する向きも少なくない。さらに、「今の時代、モバイルバッテリーを携帯するのが常識」といった声もある。

 ほかにも、充電切れといったリスクもあるが、アプリを立ち上げた際にアップデートを要求され、スマホがしばらく使えなくなる、との体験談もある。

 そんなさまざまなデメリットを考慮し、カード式を手放したくないという人は少なくない。いったんモバイルSuicaにした場合、またカードに戻すことはできない。これからモバイルSuicaを利用しようかと考えている方は、十分に検討を重ねていただきたい。

(文=Business Journal編集部)

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