USJ「ウォーターワールド」ショーで事故→偶然に撮影…演者の対応に称賛続出

ユニバーサルスタジオジャパン公式サイトより

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の人気ショー「ウォーターワールド」で、出演していたキャストがケガを負い、ショーが中止になるアクシデントがあった。その模様を動画に撮っていた観客がXに投稿したところ、大きな関心を集めている。USJを運営するユー・エス・ジェイに話を聞いた。

 10月22日、X上に「久々に来たUSJで数年ぶりのウォーターワールド観劇してたらいきなりの中止 偶々撮ってたら事故の瞬間撮れとった」とのコメントとともに、1本の動画が投稿された。この投稿は24日までに3000万回以上表示され、多くのコメントも寄せられている。

 動画の冒頭、高所で女性キャストがジップラインを使って滑走した直後、どこかに体を打ちつけたのか、うずくまる様子を見せた。その後も数秒間、地上ではスタントショーが続けられていたが、「レスキュー、レスキュー」とのアナウンスとともにショーが中断。お客に対しても、ショーは中断したが、そのまま席に座って待機するようにとのアナウンスが流れた。

 これはUSJでも大人気の水上スタントショーで、映画『ウォーターワールド』に登場する、海上に浮かぶ近未来浮遊都市が舞台。映画の世界観を再現した内容となっており、入場者数は累計1億人を超えている。米ハリウッド仕込みの本格スタントや演出がうりで、爆発や銃撃に巻き込まれたかのような圧倒的臨場感にみせられて、リピートするファンも多い。1回のショーで約3000人が鑑賞できるが、この回も9割近く埋まっているようにみえる。

 そのショーのなかで、女性キャストがケガをするトラブル。アナウンスで救護を呼び掛ける「レスキュー」と業務連絡をすると同時に、何があったのかとざわめく観客たちに向け「ただいま、ショーは中断しております。係の者が確認作業を行っておりますので、そのまま席に座った状態でお待ち下さい」と案内が流れた。即座に演者たちが女性キャストのもとへ駆けつける。

 この投稿を受けX上では、女性キャストの安否を気遣う声とともに、迅速に救護に動いた仲間の演者たちと、群衆を不安にさせないアナウンスなどで巧みにコントロールしている運営を称賛する声が多数寄せられている。

トラブル対策のトレーニングを十分に積んでいる

 そこでBusiness Journal編集部は、USJを運営するユー・エス・ジェイに話を聞いた。

「パークを一日運営していると、いろいろなことが起こります。ショーに出演するパフォーマーがトラブルに遭うこともありますし、ほかの業務にあたっている一般のクルーがケガをすることもあります。それは、一般企業でも社員がケガをする可能性があるのと同じです。そのため、ゲストを巻き込んだり、大きな迷惑をかけたりするわけでない限り、一つひとつの事象について、細かい報告・ご案内はしておりません」

 スタントショーを行う限り、多少のケガやトラブルを完全に避けることは困難。そのうえで、トラブルが起きた場合への備えはしているということなのか。

「まず関係者の身の安全が第一です。そのなかで、ショーの続行ができなくなることも、たまに発生しております。トラブルなどが起きた際のプロシージャについては当然、マニュアルもありますし、トレーニングも行っております。トラブルは発生しないに越したことはありませんが、起きてしまった場合に迅速に対応できているというのは、トレーニングの効果かと思います」

 マニュアルがあるだけではなく、不測の事態が起きた場合のトレーニングを十分に積んでいるため、今回のトラブルでも迅速に動けたというわけだ。

「マニュアルがあっても、いざという時に実行できなければ意味がありません。トレーニングを行い、普段から対応を確認し、新しい方が入ったら一通り学んでもらいます」

 ネット上には「ウォーターワールドのショーを今までに2回見たが、2回とも中断してしまいクライマックスを知らない」という書き込みがある。トラブルで中断するケースは、頻繁に起こっているのだろうか。

「2回見て2回とも中断というお客様には大変申し訳なく思います。2回連続というのは、確率としては非常に珍しいケースだと思いますが、半分屋外のような状況なので、トラブル以外にも、天候などの影響を受けて中止となることもあります。常に100%実施できるという保証はできないのが実際のところです」

 今回、ケガをしたとみられる女性キャストの安否を気遣う声もあるが、具合はどうなのだろうか。

「詳細はお伝えできませんが、養生しております」

 事故の発生確率を最小限に抑えることは当然として、事故が起きた場合に備え、適切なマニュアルと十分なトレーニングを積んでいることが、今回のトラブル発生によって明らかになったといえる。ショーを最後まで見られなかった観客たちには気の毒な限りではあるが、USJの運営に対する賛辞が続出しているのも納得できるところである。

(文=Business Journal編集部)

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