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「現金主義」がブラックボックス化を招く…学校DX化の障壁は部活動!?

2025.02.26 2025.03.11 15:08 企業
「現金主義」がブラックボックス化を招く…学校DX化の障壁は部活動!?の画像1
株式会社PAY ROUTE 取締役 ペイメント事業本部長の和田 直樹氏

 キャッシュレス決済が一般的になり、現金を持ち歩かないという人は増えています。そんな中、学校の部活動に関わる集金はいまだ現金で行われることがほとんどで、突然の集金案内に慌てた経験を持つ保護者も多いものです。実は、部活動の「現金主義」に頭を悩ませているのは、学校側も同じだそう。

 今回は、お金の流れをキャッシュレス化・見える化できるクラウド型の部活動管理システム「スクウる。」の営業責任者、株式会社PAY ROUTE 取締役 ペイメント事業本部長の和田 直樹氏に、部活動の集金や管理に関する課題や、「スクウる。」が提供するソリューション、今後の展望についてお聞きしました。

DX化が進まない!部活動の特殊な事情

——高等学校において集金が行われるシチュエーションについて教えてください。

 高等学校ではおもに、受験費用や授業料、部活動に関わる費用の部分で集金が行われています。受験費用や授業料に関しては、カード決済やキャッシュレス決済などでDX化が進む学校も増えています。一方、部活動の集金方法は旧態依然で、DXが進んでいない印象です。

——部活動に関する集金のDX化が遅々として進まない理由はなんでしょうか?

 部活動は勝ち上がることで大会期間が長くなったり、地方遠征が発生したりと、臨時的な徴収が増えてしまいます。事前に出費の予測や計算が難しいことが、DX化が遅れる原因です。

 また、集金は顧問や監督に一任されている場合が多く、学校側で一括管理できないことも原因のひとつです。

 現在、部活動の集金のほとんどは、生徒経由で保護者に集金の案内が行き、また生徒経由で昔ながらの集金袋などを使用して集金が行われています。集金管理に関しても、手書きやエクセルでされていることが多いようですね。

「スクウる。」の開発やローンチも、実際に我々が学校という現場で悩みのタネを耳にしたことがきっかけになっています。ほとんど定額の受験費用や授業料の徴収は、管理やDX化が比較的容易だそうです。一方、部活動に関わる集金については、ただ集金をするだけのツールはいくつか存在しているものの、「管理」が可能なツールがほとんど存在しないとのことでした。

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現在の集金方法がもたらすデメリットとは

——部活動の集金に関するDXが遅れていることで、学校側はどのような課題を抱えているのか教えてください。

部活動におけるDX化が進まないことで、学校側には、

●部活動費用のブラックボックス化

●部活動管理が非効率になる

この2つの課題があると考えています。部活動からの収支報告は受けるものの、ほとんどが事後報告で中身を把握できていないという学校が多く存在します。これは先述の臨時的な徴収が多く発生し、事前の報告が難しいことに起因するものです。

 部活動に関するお金がブラックボックス化することで、生徒会から部活動に出ているお金と保護者から徴収したお金に重複が発生する、顧問による不正請求や水増し請求が行われる、などの事態も発生しかねません。実際、顧問が部活動にかかるお金を横領したり、後援会から勝手にお金を徴収したりという事例もあります。

 不祥事が明るみに出ると学校名が出てしまうにもかかわらず、重大なコンプライアンス違反につながる可能性がある事態を、学校が管理できないというのが1つ目の課題です。

 2つ目の部活動管理の非効率さは、おもに人的なコストに対する課題です。DX化がなされていない場合、集金の案内や受け渡し、集金管理、収支報告書の作成など、集金に関わる一連の流れがすべて手作業で行われます。集金ひとつに、顧問の工数が大きく割かれてしまっているのです。紙ベースでのやりとりが多いと、金銭的なコストも大きくなります。

 また、部活動の規模が大きくなると、大会などによって集金の対象になる部員が異なる場合もあります。手作業による非効率さを残した状態だと、本来集金の対象になる部員からの徴収が漏れたり、対象外の部員から誤って徴収したりという間違いも起こりかねません。

——保護者側が抱える課題はありますか?

 保護者側はおもに、

●集金受け渡しの煩雑さ

●突発的・臨時的な集金への対応

●収支の不透明さへの不安

この、3つの課題を抱えていると感じています。

 現在、家の中に常に現金が置いてある、という家庭は少ないのではないでしょうか。現代においては、「現金を用意すること」自体が手間で煩雑さをともなう行動です。

 また、紙の案内を確認して、紙の集金袋にお金を入れて子どもに持たせるという一連の流れの中で、子どもが案内や集金袋をなくしてしまうリスクも懸念されます。

 集金が突発的に発生することも、保護者を悩ませる課題のひとつです。常に家に現金を置くという習慣がないということだけではなく、突然の出費が家計の負担になってしまうことがあるのです。実際に、家庭の経済状況の問題で費用が工面できず、大会に参加できない生徒がいたという話も耳にします。

 最後の、収支に関する不安については、学校側が部活動に対して感じている不安と似ている部分があります。部活動の集金に関わる部分が不透明なため、自分たちが出したお金がどのように運営されているのか不安を抱える保護者は多いです。突発的な集金が多かったり金額が大きかったりするとなおさらですよね。顧問によって部活動の集金管理方法が異なることも、不安を煽る一因になります。

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課題へのアプローチを「スクウる。」で

——「スクウる。」は、このような課題に対してどのようにアプローチしているのでしょうか?

「スクウる。」は学校側が契約して、各部活動の顧問に管理権限を付与して使用するツールです。顧問が学校に稟議申請し、それが通ってはじめて保護者への集金案内、徴収が可能になるため、事後報告による学校側が感じる部活動のブラックボックス化が解消されます。

 学校の承認が下りたものだけが集金案内として保護者のメールアドレスに送信されるので、保護者としても、何のための集金なのか? 必要性があるのか? などの疑問も解消されやすくなります。

 学校が監督するというフローが確立し、顧問側にも「見られている」という意識が浸透することで、部活動に関する集金管理の透明化がなされます。これは学校関係者からも高く評価されたポイントですね。

——「スクウる。」を利用することで支払い方法も一括管理でき、保護者によるクレジット決済や振り込みでの入金が可能になるのですね。

 そうですね。これによって、保護者は現金を準備する必要がなくなります。また、クレジット決済であれば分割での支払いも可能になるので、月々の支払い負担も保護者自身で調整できるようになります。親の経済状況によって、生徒の部活動への参加度合いが変わってしまう事態を防げるようになるのも、「スクウる。」のメリットです。

 また、案内や集金袋の物理的なやりとりが発生しないため、金銭の受け渡しに生徒が一切介在しません。盗難や紛失のリスク回避も可能になります。

——部活管理の非効率さに対してのアプローチはどのようなものでしょうか?

 案内や収支報告書の作成など、これまで手作業で行っていたものを「スクウる。」のシステム内に取り込むことで、年間を通して「どのタイミングでどのような業務が発生しやすいのか」という把握が容易になります。業務の棚卸しができるということですね。

 また、手作業で行っていたものをデジタル上にアップすることで、通年のものは日付のみを変更してペーパーレスで学校へ稟議申請、保護者へ送付ができるため、実際の作業時間が短縮できます。

「スクウる。」の導入前・導入後のシミュレーションを行った学校様においては、「スクウる。」の導入によって部活動管理における人の動き方が変化し、約53%も作業時間が効率化される見込みであるという結果が出ました。

 部員をグルーピングできるという部分も、「スクウる。」の大きな特長であり、業務効率化に寄与できるポイントです。「一軍」「二軍」「マネージャー」などのグループを作成できるため、案内を送ったり集金をしたりする対象者が限られる場合に、手動で一人ずつ選択していく必要がなくなります。部員の異動などがビジュアル的に操作・管理できるのもメリットですね。

 実際に導入いただいている学校様の要望を参考に、案内状をテキスト打ちだけではなく、PDF添付をできるようにするなど、使いやすさの向上を目指して日々アップデートを加えています。

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目指すゴールは「つながり」の醸成

——「スクウる。」において、今後どのようなニーズが発生すると考えていますか?

 現在、「クラスや学年など、部活動以外のグループでの利用か可能か」という問い合わせをよくいただきます。「スクウる。」は学校が契約するものなので、学校が部活動同様にクラスなどのグループを作成して担任に権限を付与すれば、現在でもこのような使い方は可能です。

 同じように、「スクウる。」のシステムをほかのグループに拡張させたいというニーズが出てくるのではないかと期待しています。具体的には、学校や部活動の卒業生管理、中高一貫校の部活動管理などです。

 同窓会の案内や、全国大会出場時の寄付金のお願いなど、卒業生にコンタクトを取るシーンは意外に多いものです。また、首都圏では中高一貫校が多く、中高が一緒に部活動を行っているという学校も増えています。「スクウる。」に拡張性を持たせ、このようなニーズにアプローチしていくことも考えています。

 また、地方などでは野球やサッカーなど、人数が必要な部活動がひとつの学校だけでは成り立たず、何校かが合同でチームを編成することがあると聞きます。

 このような学校をまたいだ課外活動などにおいても、「スクウる。」がお役に立てることがあるのではないかと感じています。

——最後に、今後の「スクウる。」が目指すゴールについて教えてください。

 現在、少子化によって集団スポーツの良さを感じる機会がない子どもが増えたり、学校や部活動の卒業と同時に人とのつながりが希薄になってしまったり、ということが実際に起きていると感じます。我々の「スクウる。」がそれらを補完できるツールとして、存在したいですね。

 人と人、人と社会などのつながりや絆に寄与できるサービスになっていければと思っています。

「スクウる。」を通じ、目前の困りごとの解決だけではなく、今後日本に出てくるであろう課題に対してもアプローチするPAY ROUTE社。誰もが不便や不満を感じていた部分にしっかりと目を向け、シンプルでわかりやすく、誰もが使いやすいソリューションをFinTech(フィンテック)の力を使って提供しています。

※本稿はPR記事です

BusinessJournal編集部

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