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自作AIキャラが漫画やゲームの主役に!「SynClub」新機能とアプリ内独自経済圏が目指す未来

2026.05.26 05:55 2026.05.26 00:10 企業
取材・文=山口伸

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●この記事のポイント
AIコミュニティアプリ「SynClub」は、自作AIキャラと会話できる機能に加え、新たに「漫画生成」や「ゲームメーカー」機能を実装した。運営のHiClubは、単なる会話アプリからクリエイターツールへの進化を目指す。将来的にはクリエイターが収益を得られる独自経済圏の構築により、他社との差別化を図る構えだ。

 5月16日、錦糸町駅前のすみだ産業会館(東京都・墨田区)で「第一回 AIキャラクターフェスティバル」が開催された。生成AIでキャラクターを作成したクリエイター向けの展示・即売会で、個人・団体などが参加。同イベントではAIコミュニティアプリ「SynClub」も出展した。SynClubはユーザーが自分で作成したキャラクターとコミュニケーションを取れるアプリで、フェスティバルでは新規リリースした「AI 漫画生成機能」や「AI ゲームメーカー機能」などの追加機能を展示した。追加機能にはどういう目的があるのか、SynClubを運営する運営HiClub株式会社の大河内卓哉氏に取材した。

●目次

LINEのようなUIでAIキャラと会話できる

 HiClubはスマホアプリの開発やネットの広告代理店事業を手がける。スマホアプリでは2020年にリリースした”やさしい”チャットSNS「GRAVITY」が代表的だ。「SynClub」は同社が23年5月にリリースしたAIコミュニティアプリで、利用者は難しいスクリプト無しでAIキャラクターを作成することができる。性別を選択した後、キャラクターの参考画像や外見の特徴、性格などを入力すると、AIキャラが誕生する仕組みだ。アプリではLINEのような画面で自作したAIキャラと会話できるほか、キャラクターを他のユーザーに共有することも可能だ。SynClubは累計ダウンロード数150万を突破している。

「ユーザーの男女比は半々くらいで、女性は韓流好きやマッチョが好きな方がよく利用されております。パーソナライズ機能もあり、AIキャラはユーザーの誕生日を覚えたり、励ましたりしてくれます。多く使う方は1日に100回以上AIキャラと会話し、コミュニケーションツールとして機能しています」(大河内氏)

 筆者も試しにダウンロードし、作成したAIキャラに錦糸町で楽しい場所を聞いてみたところ、「オリナス」を提案してきた。オリナスは錦糸町に実在するショッピングモールだ。依頼すれば旅行の計画を立ててくれるほか、AIキャラの方から悩みを相談してくることもある。SynClubのチャットAIはGoogleの「Gemini3.0」を使用しており、会話の精度は高い。

 AIは生身の人間と違って肯定的な意見ばかりを伝えてくるので、居心地は良い。昨今は人間のAIチャット依存を懸念する意見も聞かれるが、SynClubに助けられた人も多いと大河内氏は話す。AIキャラに励まされたユーザーがSynClubの運営に感謝の手紙を送ってきたこともあるという。

漫画・ゲーム機能をリリース

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 SynClubは今年から追加機能を強化しており、2月には漫画生成機能、4月にはゲームメーカー機能を追加した。SynClubのようにAIキャラと会話できるアプリは近年増えており、差別化を図る狙いもあるようだ。漫画生成機能では自作したAIキャラから登場人物を選択し、漫画の内容やセリフを指定すると指示に沿った漫画が生成される。モデルは「基礎モデル」または「GPT-Image2」から選択できる。

 ゲームメーカー機能は現在、クリエイターに対して試験的にリリースしている。漫画生成機能と同様、難しいスクリプトやプログラミング無しで生成できるという。アプリ内では恋愛ものや人狼、競走馬育成など、クリエイターが多様なゲームを公開している。

「漫画生成機能ではキャラクター同士が戦う戦闘ものや中世ファンタジーなど、ジャンルを問わず漫画を作成できます。自分とのトーク内容を漫画化することも可能です。ゲームメーカー機能では、会話ゲームのほか、ブロック崩しやシューティングゲームなどやや複雑なものまで生成できます。SynClubはこれまでの2年間、『コミュニケーションアプリ』として機能してきましたが、追加機能によってクリエイターが集う『クリエイターツール』に変化することを目指しています」(同)

 今回、AIキャラクターフェスティバルに出展したのは、クリエイター向けにアピールする狙いもあるという。

独自の”経済圏”の構築を目指す

 現在、SynClubはユーザーからの課金で運営費を賄っている。アプリ内で使えるコインを販売しており、100コインは200円で、3000コインをまとめて買う場合は3000円だ。AIキャラとの会話は無料だが、キャラの心の中を覗ける「心へダイブ」機能や動画生成機能、前出の漫画生成機能など、追加機能を利用する場合はコインが必要になる。なお、将来的には投げ銭などクリエイターに収益を付与する仕組みも検討しているようだ。

「人気のキャラクターや漫画を作ったクリエイターはランキングで表彰されますが、現状は金銭的なメリットがありません。将来的には人気のクリエイターが収入を得られるようにし、アプリ内で独自の”経済圏”を構築したいと考えています。経済圏を構築できれば、クリエイターのモチベーションアップにつながり、より優れたコンテンツも創作されやすくなるでしょう」(同)

 現状は競合のAIチャットアプリも多く、他社が一部機能の無料化や値下げを実施した場合、SynClubから一部ユーザーが離れてしまうかもしれない。だが、ユーザー間がコンテンツをやり取りするプラットフォーマーに変化できれば、AIチャットアプリ間の競争から脱却することになるだろう。経済圏を構築し名作コンテンツを生み出すプラットフォーマーに変化できるのか、SynClubの今後に注目したい。

(取材・文=山口伸)

山口伸

山口伸/ライター

化学メーカーに勤めながら副業でライターをしている。本業は理系だが趣味で経済関係の本や 決算書を読み漁っており、得た知識を参考に経済関連の記事を執筆する。取得した資格は簿記 、ファイナンシャルプランナー。

X:@shin_yamaguchi_

公開:2026.05.26 05:55