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未上場の弊害、UCCの事例~内向き姿勢で評判下げる広報、ヒット作も生まれず

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 またUCC東京本社広報は、ダイヤモンド側に「記事掲載前の原稿事前チェックとUCC側による修正の時間」も求めたという。通常、東京証券取引所1部上場の大企業といえども、取材を受けた企業が記事掲載前の原稿事前チェックまでは求めない。なぜなら、企業側が、消費者の代理で訪れたメディア側に圧力をかけているように第三者の目には映るからだ。だから、企業側はなるべく自社にとって都合のよいことを書いてもらうために積極的に取材協力はするが、掲載原稿の事前チェックを求めないのが普通だ。

 前出のUCC社員は、この行為こそUCCが大企業病に陥っている証左だと語る。

「結局、ダイヤモンド・オンラインへの掲載は、そのまま立ち消えになったと聞いています。しかし問題なのは、うちの広報がこの取材の話がなくなったことに安堵しているということです。社長インタビューが実現して、それで記者に社長の機嫌を損ねるような質問をされることを恐れていたのです。まったく消費者や外部を見ていません」(同)

●投資対象としての魅力は薄い

 1970年代、コーヒー飲料メーカーとして業界をリードしてきたUCC、しかし今では外部よりも内部の声を意識するあまりか、かつてのような輝きは見られない。

 UCCとその持ち株会社・UCCホールディングスは、今も未上場のまま経営を続けている。

 UCCホールディングスHPによると、グループ会社には東証1部上場のユニカフェがある。その持ち株比率は、主要株主であるUCCホールディングス 62.79%、三井物産 1.48%、ユニカフェ・ドリーム会 1.35%(2013年9月期中間決算より)と、主要大株主の持ち株数の合計は65.62%で残りは34.38%だ。もし、このうちの3%を買い占められれば、ユニカフェ役員の解任請求権が得られる。UCCから出向している役員もいるため、ユニカフェを通してではあるがUCCの経営に多少の影響を与えられなくもない。

「仮になんらかのかたちでユニカフェの発行済み株式のうちの3%超を買い占め、UCCホールディングスと、その中核会社であるUCCへの経営に間接的ながら影響力を持ったとしても、投資として大きな魅力はありません。創業者一族の顔色ばかりうかがって新たなヒット商品を生み出さない社員たち。そんな会社の株を誰が買うのでしょうか」(証券アナリスト)

 アクセスが悪く、平日にはほとんど人けがない神戸・ポートアイランドに、UCC神戸本社がある。その横手にある、UCCが所有し2013年10月リニューアルしたUCCコーヒー博物館に入ってみたが、平日の午前という時間帯のせいだろうか、館内は筆者を除けば従業員だけだった。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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