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みずほ銀、“鬼門の”システム統合でなぜ再び遅延?旧3行意識、ベンダ共同発注も仇に

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 2回目のトラブルは東日本大震災直後の11年3月15日に起こる。旧みずほ銀のシステム障害が始まりで、窓口での振り込みや、すべてのATMが停止するなど、日を追って影響が広がっていった。東日本大地震の義援金の振り込みが急増し、同行が想定していた処理量を大幅に超えた。夜間に集中処理するはずの分が時間内に終了しなかったことに端を発したトラブルだった。

 2度目のシステム障害を受け、みずほフィナンシャルグループ(FG)と旧みずほ銀は11年6月、金融庁に業務改善計画を提出した。システムの全面刷新・統合により16年3月をメドに新システムを順次稼動させるという内容だった。旧みずほ銀とみずほコーポ銀は13年7月に合併し、新みずほ銀行となったが、旧第一勧銀と旧興銀の2系統のシステムを併用する状態が続いている。

●異例のベンダ共同発注方式

 みずほ銀が進めている統合プロジェクトはこうだ。新しく構築した次期勘定系システムに、旧みずほ銀、旧みずほコーポ銀、みずほ信託銀の勘定系システムを移行させる。3行が現在使っている勘定系システムの担当ベンダは、旧みずほ銀が富士通、旧みずほコーポ銀は日立、みずほ信託は日本IBMだ。老朽化が激しい現行のシステムを廃棄して、新たなシステムに切り替える。

 次期システムの開発は、富士通、日立、日本IBM、NTTデータの4社が参加するマルチベンダ体制で進められている。これまで使ってきたベンダに配慮した結果だろうが、4社への共同発注は金融界では珍しい。システム開発の時期が延期になったのはベンダ4社の寄り合い所帯が一因と金融業界ではみられており、無事にシステム統合が完了を迎えることができるのか、業界内の注目が集まっている。

●暴力団融資問題では株主代表訴訟

 そんな中、システム統合という大きな課題を抱えるみずほ銀にとって、新たな火種が生まれた。暴力団組員らへの融資を放置していた問題で、親会社のみずほFGの男性個人株主が佐藤康博社長ら歴代役員14人を相手取り16億7000万円の損害賠償を求める株主代表訴訟を3月28日、東京地裁に起こした。役員らは取締役会などを通じて暴力団組員への融資を把握することができたのに、阻止する義務を怠ったというのがその理由だ。大阪の弁護士らで構成される「株主の権利弁護団」の前川拓郎弁護士が代理人を務める。

 男性は昨年12月、みずほFGに対し、みずほ銀の歴代役員19人に計16億7000万円の賠償を求める訴えを起こすよう請求した。しかし、みずほFGは男性株主への回答書で、役員らの違法行為に関し提訴する考えがないことを明らかにし、この請求を拒否したため、株主代表訴訟を起こした。今後、歴代役員14人の責任が裁判で争われることになる。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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