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サンクス、なぜコンビニ他社の“草刈り場”に?大手3社勢力増し、業界は淘汰の時代に

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 また、サークルKサンクスのエリアフランチャイズでは、11年には富山県のサンクス約70店、12年には千葉県・東京都ベイエリアのサンクス約130店、13年には鹿児島県・熊本県のサンクス約110店がローソンに鞍替えした。さらに、今年4月には京都府・奈良県・滋賀県のサンクス95店もローソンに鞍替えしている。
 
 ローソンは今後、本格的なM&A(合併・買収)に乗り出していくことも検討している。東京都内だけでも300店近い店舗網を持つイオン系のミニストップにはローソンの端末が導入されており、関東の店舗網強化を進めていきたいローソンにとって格好の相手だ。このほか、ローソンが特に手薄な群馬県や新潟県で100店舗以上を展開するセーブオンも注目だ。 

●高まるファミマのサークルKサンクス買収観測

 ファミマはすでにエーエム・ピーエムを09年に買収、さらに10年にはJR九州リテールと提携して福岡、佐賀、長崎、宮崎、大分で店舗を展開。13年にはセブン、ローソンに続いて国内1万店を突破した。

 勢いに乗るファミマだが、ここにきて最も注目されているのが、サークルKサンクスとの経営統合だ。実現すれば、セブンを抜き、一気に業界トップに躍り出ることになる。ファミマは08年からサークルKサンクスなどと調理パンやヨーグルトなどPB(プライベートブランド)商品での共同開発を進めてきた。ファミマの親会社、伊藤忠商事がサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(HD)と06年から包括的な業務提携を結び、友好的な関係を構築。09年には3%の株式を取得し、資本業務提携を結んでユニーHDの中国進出のサポートなどもしている。

「名古屋などでは、サークルKサンクスとファミマがしのぎを削っているが、伊藤忠・ファミマグループは共同商品開発をサークルKサンクスと続けている。伊藤忠・ファミマのサークルKサンクスへの気の遣いようは尋常じゃない」(業界関係者)

 サークルKサンクスの持ち株会社であるユニーは、これまでファミマとの経営統合には懐疑的だった。しかし経営環境が厳しさを増し、その姿勢も変わってきている。

「ローソンやセブンのように商品開発力やチェーン展開を強化していかないと、サークルKサンクスが空中分解してしまう。競争力のある競合他社との再編を考えなければならないところまで来ている」(同)

 こうした見方に対して、サークルkサンクス広報担当者は次のように語る。

「当社の事業会社が、サンクスグループのエリアフランチャイズの吸収を進めており、サンクスホクリヤ(6月に吸収合併)、サンクス西四国などはすでに100%子会社となっている。サンクス東海(サークルKサンクスの持ち株比率19%)はフランチャイズ契約を更新し、サークルK四国(同35%)とは良好な関係を続けている。一方で当社は1年前にユニーHDをつくりグループ一体となって店舗開発や商品の供給・物流網の整備などを進めており、十分に自力で戦える」

 だが、大手3社の商品開発力は群を抜いており、サンクス京阪奈は10月までのフランチャイズ契約を中途解約してローソンに鞍替えした。大手3社を中心とした再編の動きは止まらない。

 サークルKサンクスのほかには、JR東日本が展開するNEWDAYSも大手3社にとっては垂涎の的。コンビニが大手3社に集約されていく中で、その勢力図はどのような構図になるのか、コンビニ業界の戦国時代は続く。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

BusinessJournal編集部

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