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一方、主力事業である居酒屋「和民」など国内外食事業の売り上げは733億円から850億円へ。有料法人ホームなどの介護事業のそれは338億円から550億円へ。5年間に宅食の売り上げは2.8倍、介護は63%増を見込んでいるのに対して、外食事業は16%増にとどまる。ワタミは、宅食を居酒屋に代わる主力事業にすることを鮮明に打ち出したのである。この経営計画を発表後、渡邉氏は13年6月に再び非常勤取締役に退き、同年12月に参院選比例区に自民党公認で出馬して当選を果たした。
●伸び悩む宅食事業
だが、ワタミが成長戦略の柱に据えた高齢者向けの宅食事業は伸び悩んでいる。14年3月期末の配食数41万食、売り上げは前年比40.2%増の544億円の予定だったが、結果は27.5万食と前年期末の28.1万食から減少した。期央に一時、29万食を達成したことで売上高は10.2%増の428億円となったが、目標の544億円には届かなかった。これまで2ケタの成長を続けてきた宅食事業に急ブレーキがかかったのだ。
高齢者向け弁当宅配は、もともと糖尿病や腎臓疾患など食事制限を必要としている患者向けであり、高齢化社会の到来を察知して、いち早く進出したのがワタミだった。この分野はニッチだったが、成長が見込めるとあって大手コンビニチェーンや生協が宅配弁当を強化した。競争激化が、ワタミの配食数伸び悩みの原因であり、中期経営計画の達成については、厳しい見方が広がりつつある。
(文=編集部)
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