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マイクロソフト、著作権侵害でジャストシステムへ抗議 商品が酷似と主張、ジャ社は反論

文=伊藤歩/金融ジャーナリスト
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 マイクロソフトは単なる互換性については他の競合ソフトメーカーに対しても開放しているが、ことリボンインターフェースに関しては、競合する製品には使用許諾を与えない方針を打ち出している。設計用のソフトや地図ソフトなど、専門性が高いソフトには使用を許諾するが、「ジャストシステムの製品は当社製品と競合しているケースが多々あるという認識なので、使用許諾は与えていない。すでに昨年6月と今年7月の2度、警告書を送っている」(日本マイクロソフト広報)という。

●実は役所に強いジャストシステム

 Word、Excelのユーザにとって、07年にマイクロソフトのインターフェースがすべてリボンインターフェースに代わった当時のストレスは筆舌に尽くし難いものだったに違いない。大幅に機能が追加されていて、従来品のインターフェースと配置がまったく異なるため、どこにどの機能が置かれているのか、カンだけで探そうとすると探しているだけで膨大な時間がかかってしまう。

 とまれマイクロソフトには、発売からの7年間、ユーザからさんざん文句を言われながらもリボンインターフェースを定着させてきたという自負があるのだろう。JUST Officeのパンフレットには、「マイクロソフトのOfficeより安価な費用でアップグレードできる、インターフェースの切り替えも楽にできます」といったセールストークが並んでおり、ユーザ側からみればJUST OfficeはマイクロソフトのOfficeとほぼ同じにみえる。そのため、マイクロソフトにしてみれば、苦労して定着させたものにタダ乗りされるのは許しがたい、ということなのだろう。

 ジャストシステムがJUST Officeというパッケージソフトを出していることは、民間企業に勤務する会社員にはあまり知られていないだろう。JUST Officeの市場シェアは、当の同社自身も「市場データでそれがわかるものは存在しないと思うので、わからない」(同社広報)というが、パソコン購入時に標準搭載されているのはマイクロソフトのOfficeであるケースが一般的だ。一太郎はじめ、Office以外のワープロや表計算ソフトを入れようとしたら、別途購入しなければならない。

 従って、民間企業におけるマイクロソフトの市場占有率は圧倒的なのではないかと思われ、JUST Officeはほとんど知られていない製品といえるだろう。だが、そんなジャストシステム、実は役所には結構強い。役所では今も同社の一太郎は健在で、裁判所が一太郎だからか、弁護士には一太郎ユーザが多い。

●両社ともに徹底抗戦の構え

 一般にはあまり認知されていないソフトだからといって、無断で他社製品のマネをしていいとはいえない。何よりもジャストシステムは上場会社である。不正競争防止法や著作権法に抵触するおそれがある、という抗議を受けたのだから、当然にそれなりの言い分があるのではないか。同社広報によると、「最初の抗議文は昨年6月に届いたので、翌7月に『不正競争防止法に抵触していないと考えている』という趣旨の回答書を返送したところ、それ以降はなんの音沙汰もなかった」という。

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